有価証券の保有目的区分の変更(変更一覧表)

有価証券はその保有目的に従って取得時において『売買目的有価証券』『満期保有目的の債券』『子会社株式及び関連会社株式』『その他有価証券』に分類されます。これらの保有目的区分は原則的には変更することはできませんが、以下のような正当な理由がある場合には保有目的区分を変更することができます(金融商品会計に関する実務指針 第80項参照)。

1.資金運用方針の変更又は特定の状況の発生に伴って、保有目的区分を変更する場合
2.本報告(金融商品会計実務指針の規定)により、保有目的区分の変更があったとみなされる場合
3.株式の追加取得又は売却により持分比率等が変動したことに伴い、子会社株式又は関連会社株式区分から他の保有目的区分に又はその逆の保有目的区分に変更する場合
4.法令又は基準等の改正又は適用により、保有目的区分を変更する場合

具体的な変更パターン及び実務指針の規定は以下の通りです(会計処理の詳細に関しては各リンク先をご参照ください)。

1.売買目的有価証券から変更する場合

満期保有目的債券 子会社・関連会社株式 その他有価証券
売買目的有価証券 認められない
(第82項)
時価で振替、評価差額は振替時の損益とする
(第87項)
時価で振替、評価差額は振替時の損益とする
(第85項)

2.満期保有目的の債券から変更する場合

売買目的有価証券 子会社・関連会社株式 その他有価証券
満期保有目的債券 償却原価で振替
(第83・84項)
認められない
(株式ではない)
償却原価で振替
(第83・84項)

3.子会社株式・関連会社株式から変更する場合

売買目的有価証券 満期保有目的債券 その他有価証券
子会社・関連会社株式 帳簿価額で振替
(第89項)
認められない
(債券ではない)
帳簿価額で振替
(第89項)

4.その他有価証券から変更する場合

売買目的有価証券 満期保有目的債券 子会社・関連会社株式
その他有価証券 時価で振替、評価差額は振替時の損益とする※1
(第86項)
認められない
(第82項)
※2
(第88項)

※1 その他有価証券から売買目的有価証券に振替えた時の振替時の時価と簿価との差額については、その他有価証券の評価差額について採用していた会計処理方法(全部・部分純資産直入法)にかかわらず、振替時の純損益に計上します。

※2 その他有価証券から子会社株式・関連会社株式に変更する場合は以下の通りです。
・全部純資産直入法を採用している場合:帳簿価額で振替ます(振替の詳細)。
・部分純資産直入法を採用している場合:評価益が生じている場合は帳簿価額で振替ますが、評価損が生じている場合は時価評価後の価額で振替ます(振替の詳細)。

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