会社が役員からの借入金について免除を受けた時(債務免除益)
法人が社長や役員などから運転資金を借り入れることは中小企業などではよくあります。
しかし法人の資金状態が悪化し法人に返済能力がないと判断されるような場合や法人を清算する場合で当該社長や役員などから債務免除(法人が借りたお金を返さなくてよい)を受けた場合、法人は返済義務を免れることによる利益を得ることとなりますので免除を受けた額について『債務免除益』という収益(特別利益)を計上することが必要となります
(具体例-債務免除を受けた場合)
1.法人の経営状態が厳しく当面の運転資金が至急必要となったため、代表取締役個人から1,000,000円の融資を受けた。1,000,000円の資金は普通預金口座に振り込まれた。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
普通預金 | 1,000,000 | 長期借入金 | 1,000,000 |
2.会社の経営状態がさらに悪化し上記の借入金を返済できる見込みがないため、代表取締役は会社に対する債権を免除した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
長期借入金 | 1,000,000 | 債務免除益 | 1,000,000 |
債務免除益は消費税に関しては課税対象外となります。
債務免除益は会計上の特別利益となりますので、仮にこれにより税引前当期純利益が発生した場合には納税が必要となる場合があります(経営状態が悪化しており、損失額が大きい場合には結果として当期純損益が発生し納税額は発生しない場合の方が多いとはおもわれます)。
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