スマートフォンを購入した時の仕訳

仕事や業務で使用するためのスマートフォン(スマホ)や携帯電話などを購入した時の会計処理は、スマートフォンなどの購入価格によって異なる場合があります。
スマートフォンなどを購入した時の仕訳や会計処理について、購入価格別に示すと以下の通りとなります。

(スマートフォンを購入した時の仕訳・会計処理)
スマホの購入価格 処理方法
10万円未満の場合 スマートフォンや携帯電話の購入価額が10万円未満の場合には『消耗品費』勘定で処理し、全額を購入時などの費用として処理することができます。
10万円以上20万円未満の場合 スマートフォンや携帯電話の購入価格が10万円以上20万円未満(199,999円まで)の場合、原則としては『備品』勘定などの資産勘定を使って資産計上し、減価償却の手続きによって耐用年数(新品で購入した時などは4年)にわたって費用化することになります。ただし、一括償却資産として簡易処理を行うことが可能です。
30万円未満の特例(中小企業者のみ) 資本金が1億円未満などの条件を満たす中小企業者等や個人事業主(ともに青色申告の場合のみ)については購入時(事業供用時)において『消耗品費』勘定などを使ってその全額を費用として計上することができます(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例。なお、この特例が認められるのは、対象となる資産の取得価額の合計額が年間300万円までとなります(期中開業などの場合は月割計算となります))。
30万円以上の場合 30万円以上のスマートフォンなどを購入した場合は、その購入価格について『備品』勘定などの固定資産勘定を使って資産計上し、減価償却の手続きによって耐用年数(新品で購入した時などは4年)にわたって費用化します。

上記のスマートフォン購入価格についての消費税の取り扱いについては、消費税の経理方式によりことなります。すなわち、消費税の経理方式として税込経理方式を採用している場合は税込金額、税抜経理方式を採用している場合は税抜金額での判定となります(免税事業者は税込金額での判定です)。

また価格判定については、通常1単位として取引されるその単位で判定するものとされているため(法人税法基本通達7-1-11参照)、会社で複数台のスマートフォンを一括して購入した場合には、各1台ごとの価格により判定することになります。

(具体例1-スマートフォンの購入代金が10万円未満の場合)

営業マンが業務で使用するスマートフォンを購入した。なお代金は80,000円であり、その場で現金で支払った。

(仕訳-10万円未満の場合)
借方 金額 貸方 金額
消耗品費 80,000 現金 80,000

購入価額が10万円未満の場合にはその全額を購入時(事業供用時)の費用として処理することができます。

(具体例2-スマートフォンの購入代金が10万円以上20万円未満の場合)

営業マンが業務で使用するスマートフォンを購入した。なお代金は148,000円であり、法人のクレジットカードで支払った(当社では10万円以上20万円未満の資産を購入した時は一括償却を行うこととしている)。

(仕訳-10万円以上20万円未満の場合)
借方 金額 貸方 金額
一括償却資産 148,000 未払金 148,000

一括償却資産として処理した場合、購入後3年間で均等償却を行うことになります(簡易計算のため月割計算は必要ありません)。また一括償却を行うかどうかは各資産ごとに選択できることになります(法人税法施行令133条の2第1項参照)。

(具体例3-スマートフォンの購入代金が30万円未満の場合)

営業マンが業務で使用するスマートフォンを購入した。なお代金は220,000円であり、法人のクレジットカードで支払った(当社は資本金が1億円未満の中小企業者(青色申告法人)に該当する。なおこれ以外に本年度は30万円未満の資産の購入はない)。

(仕訳-30万円未満の場合)
借方 金額 貸方 金額
消耗品費 220,000 現金 220,000

この特例の対象は『青色申告』を行う法人や個人のみですのでご注意ください。

(具体例4-スマートフォンの購入代金が30万円以上の場合)

営業マンが業務で使用するスマートフォンを購入した。なお代金は320,000円であり、法人のクレジットカードで支払った

(仕訳-30万円以上の場合)
借方 金額 貸方 金額
備品 320,000 未払金 320,000

30万円以上のスマホを購入した場合は『備品』勘定などを使って固定資産として計上し、耐用年数(新品の場合は4年)にわたって減価償却を行います。

(具体例5-個人事業主がポケットマネーでスマートフォンを購入した場合)

個人事業主である税理士が業務専用で使用するための携帯電話を50,000円で購入した。購入代金が税理士本人のポケットマネーで支払った。

(仕訳-個人事業主の場合)
借方 金額 貸方 金額
消耗品費 50,000 事業主借 50,000

購入価額が10万円未満のためその全額を購入時の必要経費として処理することができます。
代金が個人事業主である税理士がポケットマネーでしはらっているため『事業主借』勘定を使用して記帳します。

(関連項目)
スマホや携帯電話の修理代を支払った時の仕訳・勘定科目
モバイルWi-Fiルータの仕訳・勘定科目

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