商品売買の記帳方法(九分法・九分割法)

九分法(九分割法)とは『仕入』『売上』『仕入値引』『仕入戻し』『仕入割戻』『売上値引』『売上戻り』『売上割戻』『繰越商品』勘定の9つの勘定を使って商品売買を記帳する方法です。
九分法の記帳方法は基本的に三分法七分法などと同じですが、七分法で使用した仕入れ控除項目の『仕入値引』『仕入戻し』勘定にさらに『仕入割戻』勘定を加え、売上控除項目の『売上値引』『売上戻り』勘定にさらに『売上割戻』勘定を加え、割戻取引を独立した勘定として記帳することになります。
なお、決算時には三分法や七分法などと同様に繰越商品の振替仕訳を行いますが、九分法ではさらに『仕入値引』『仕入戻し』『仕入割戻』勘定の貸方残高を『仕入』勘定に振り替えて純仕入高を算出し、また『売上値引』『売上戻り』『売上割戻』勘定の借方残高を『売上』勘定に振り替えることにより純売上高を算定します。

(具体例-九分法)

1.商品50,000円を仕入れ、代金は掛けとした。

(仕訳-九分法・仕入時)
借方 金額 貸方 金額
仕入 50,000 買掛金 50,000

2.上記の仕入商品に関して、品質不良が発見されたため仕入先に対し10,000円分を返品した。

(仕訳-九分法・仕入戻し時)
借方 金額 貸方 金額
買掛金 10,000 仕入戻し 10,000

3.仕入先との取引量が一定量に達したため、3,000円の割り戻しを受けた。割戻額は買掛金から減額された。

(仕訳-九分法・仕入割戻時)
借方 金額 貸方 金額
買掛金 3,000 仕入割戻 3,000

4.得意先に対し、商品を200,000円で販売し、代金は掛けとした。

(仕訳-九分法・売上時)
借方 金額 貸方 金額
売掛金 200,000 売上 200,000

5.得意先に対し、上記の売上について事後的に10,000円の値引きを行った。値引額は売掛金から減額することとした。

(仕訳-九分法・売上値引時)
借方 金額 貸方 金額
売上値引 10,000 売掛金 10,000

6.得意先との取引量が一定額に達したため、5,000円の割戻を行った。割戻額は売掛金を減額することとした。

(仕訳-九分法・売上値引時)
借方 金額 貸方 金額
売上割戻 5,000 売掛金 5,000

7.決算時において期末在庫商品80,000円を繰越商品勘定に振り替えて翌期に繰り越した(期首商品はないものとする)。また仕入値引勘定、仕入戻り、仕入割戻勘定、売上値引勘定、売上戻り勘定、売上割戻勘定の残高をそれぞれ仕入勘定と売上勘定に振り替えた(値引・返品・割戻取引については上記以外はないものとする)。

(仕訳-九分法・決算時)
借方 金額 貸方 金額
繰越商品 80,000 仕入 80,000
仕入戻し 10,000 仕入 10,000
仕入割戻 3,000 仕入 3,000
売上 10,000 売上値引 10,000
売上 5,000 売上割戻 5,000

九分法においては仕入割戻・売上割戻に関してもそれぞれ『仕入割戻』『売上割戻』と独立した勘定科目を使って記帳します。なお仕入割引・売上割引に関しては、商品売買とは分離された金融取引としての性質を有することから上記の返品・値引とは区別し、別途『仕入割引』(営業外収益)、『売上割引』(営業外費用)の勘定を使って記帳します。

(関連項目)
商品売買の記帳方法(分記法)
商品売買の記帳方法(総記法)
商品売買の記帳方法(五分法)
商品売買の記帳方法(売上原価対立法)
商品売買の記帳方法(小売棚卸法)

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