商品売買の記帳方法(七分法・七分割法)

七分法(七分割法)とは『仕入』『売上』『仕入値引』『仕入戻し』『売上値引』『売上戻り』『繰越商品』勘定の7つの勘定を使って商品売買を記帳する方法です。
七分法の記帳方法は基本的に三分法五分法と同じですが、仕入値引や仕入返品などの仕入控除取引はそれぞれ『仕入値引』『仕入戻し』勘定を使って記帳し、売上値引や売上返品などの売上控除取引はそれぞれ『売上値引』『売上戻り』勘定を使って記帳することが特徴となります。
なお、決算時には三分法と同様に繰越商品の振替仕訳を行いますが、七分法ではさらに『仕入値引』『仕入戻し』勘定の貸方残高を『仕入』勘定に振り替えて純仕入高を算出し、また『売上値引』『売上戻り』勘定の借方残高を『売上』勘定に振り替えることにより純売上高を算定します。

(具体例-七分法)

1.商品100,000円を仕入れ、代金は掛けとした。

(仕訳-七分法・仕入時)
借方 金額 貸方 金額
仕入 100,000 買掛金 100,000

2.上記の仕入商品に関して、品質不良が発見されたため仕入先に対し8,000円分を返品した。

(仕訳-七分法・仕入戻し時)
借方 金額 貸方 金額
買掛金 8,000 仕入戻し 8,000

3.仕入先より品質不良のお詫びとしてさらに仕入代金5,000円の値引きを受けた。

(仕訳-七分法・仕入れ値引時)
借方 金額 貸方 金額
買掛金 5,000 仕入値引 5,000

4.得意先に対し、商品を120,000円で販売し、代金は掛けとした。

(仕訳-七分法・売上時)
借方 金額 貸方 金額
売掛金 120,000 売上 120,000

5.上記の売上商品に関して、商品10,000円分に不具合があったため、10,000円分の商品が得意先より返品されてきた。

(仕訳-七分法・売上戻り時)
借方 金額 貸方 金額
売上戻り 10,000 売掛金 10,000

6.不良品が発生したお詫びとして、得意先に対し、商品代金4,000円の値引きを行った。

(仕訳-七分法・売上値引時)
借方 金額 貸方 金額
売上値引 4,000 売掛金 4,000

7.決算時において期末在庫商品30,000円を繰越商品勘定に振り替えて翌期に繰り越した(期首商品はないものとする)。また仕入値引勘定、仕入戻り勘定、売上値引勘定、売上戻り勘定の残高をそれぞれ仕入勘定と売上勘定に振り替えた(値引き・返品取引は上記以外にはないものとする)。

(仕訳-七分法・決算時)
借方 金額 貸方 金額
繰越商品 30,000 仕入 30,000
仕入戻し 8,000 仕入 8,000
仕入値引 5,000 仕入 5,000
売上 10,000 売上戻り 10,000
売上 4,000 売上値引 4,000

なお、仕入割戻・売上割戻に関しては上記の値引と同様の処理を行いますが、仕入割引・売上割引に関しては、商品売買とは分離された金融取引としての性質を有することから上記の返品・値引とは区別し、別途『仕入割引』(営業外収益)、『売上割引』(営業外費用)の勘定を使って記帳します。

(関連項目)
商品売買の記帳方法(九分法・九分割法)

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