当座預金の仕訳

当座預金とは、主に企業の支払の際に利用される決済用預金のことをいいます。金融機関に当座預金口座を開設することにより、小切手帳が発行されますが、代金支払の際にこの小切手を使用することにより、実際の現金を使用するよりも簡便で安全な取引を実現することができます。
また、当座預金は決済用預金としての「無利息・要求払い・決済サービスの提供」という3要件を満たすことから、預金保険制度においてその全額が保護対象となります。
企業が当座預金口座を使用した時は『当座預金』勘定を使って記帳します。

(具体例-当座預金)

1.本日、自社の当座預金口座に現金300,000円を預け入れた。

(仕訳-当座預金・入金時)
借方 金額 貸方 金額
当座預金 300,000 現金 300,000

2.仕入先より商品100,000円を購入し、代金は小切手を振り出して支払った。

(仕訳-当座預金・小切手振出時)
借方 金額 貸方 金額
仕入 100,000 当座預金 100,000

小切手は、受取人が取引銀行に持ち込むことによって現金化され、小切手の振出人の当座預金残高が減少しますが、小切手の受取人はいつでも銀行に持ち込んで現金化することができますので、振出人は小切手の振出時に当座預金残高の減少を認識します。

(関連項目)
小切手の受取・小切手による支払時の仕訳
当座借越の仕訳(一勘定制と二勘定制)
普通預金の仕訳
定期預金の仕訳

銀行勘定調整表の作成

当座預金口座を開設すると、金融機関より定期的に当座預金残高証明書が送付されてきます。これは銀行側が把握している当座預金口座残高であり、本来は企業側の当座預金勘定の残高と一致しなければいけません。
しかし、実際には様々な理由で企業の当座預金勘定の残高と金融機関より送付されてくる当座預金残高証明書の残高とは一致しません。この時、なぜ不一致なのか原因を調べ調整する必要があります。この調整のために作成されるのが銀行勘定調整表です。
両者の不一致の原因には、下記のようにさまざまなものがあります。

(おもな不一致の原因)
未渡小切手 支払用に作成した小切手(会社側では処理済)が未だに未渡しとなっていた。
未取立小切手 振り出した小切手(会社側では処理済)が未だに銀行に持ち込まれていない。
時間外預金 営業時間外の入金(会社側で処理済)ため、銀行側の処理が行われていない。
未通知 口座への入金・出金が未通知のため、会社側の処理が未だに行われていない。
誤記入 当座預金に関する(主に会社側の)記帳処理に誤りがあった。

上記の未通知や誤記入など、会社側に未記帳や誤記入があった場合は、当座預金勘定に関して修正仕訳が必要となります。

銀行勘定調整表の次の3つの作成方法があります。
1、銀行残高・企業残高区分調整法(両者の残高を起点に本来あるべき調整を加え、貸借対照表の当座預金残高を導く)
2、銀行残高基準法(銀行の残高証明を起点に会社の帳簿残高を導く)
3、企業残高基準法(会社の帳簿残高を起点に銀行の残高証明の残高を導く)

銀行勘定調整表の調整方法の詳細に関しては未渡小切手・未取付小切手の仕訳と銀行勘定調整表をご参照ください。

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