外貨預金の仕訳・会計処理

金融機関に外貨で預金することを外貨預金といいます。外貨預金には外貨普通預金や外貨定期預金などがありますが、外貨預金の口座に入金した時は『外貨預金』勘定などを使って記帳します。外貨預金の会計処理に関するポイントは以下の通りです。

(外貨預金)
入金時 外貨預金への入金時は、円建ての入金額(=外貨預金額×入金時のレート(HR))を『外貨預金』勘定などを使って記帳します。
決算時 決算時のレート(CR)で換算替えを行い、換算差額は『為替差損益』として処理します(※)。
利息 受取った利息を受取時の為替レート(HR)で換算し『受取利息』勘定を使って記帳します。なお、国内銀行の外貨預金の場合は利息受け取り時に所得税などが源泉徴収されているので注意が必要です。
出金時 円貨での出金額は出金時のレートで換算し、外貨預金勘定の帳簿残高との差額は『為替差損益』として処理します。

※税務上、長期の外貨預金(満期日が決算日の翌日から1年超先の定期預金など)については、取得時または発生時のレートで換算する「発生時換算法」により換算を行いますが、届出により「期末時換算法」を選択することができます(法人税法第61条の9,法人税法施行令第122条の4~7参照)。

(具体例-外貨預金)

1.国内の銀行に1年満期の外貨定期預金口座を開設し、日本円で1,000,000円(当日のレートは1ドル100円であり、外貨建金額で10,000ドル)を普通預金口座から入金した。

(仕訳・入金時)
借方 金額 貸方 金額
外貨預金 1,000,000 普通預金 1,000,000

2.決算日を迎えた、決算日のレートは1ドル110円であった。

(計算過程)
外貨預金残高:10,000ドル×110円=1,100,000円
為替差損益:1,100,000円-1,000,000円=100,000円

(仕訳・決算時)
借方 金額 貸方 金額
外貨預金 100,000 為替差損益 100,000

3.上記外貨定期預金について満期を迎え、元本10,000ドルと利息100ドルを受け取り、円建ての普通預金とした。当日のレートは1ドル100円であり、源泉徴収税率は20.315%である。

(計算過程)
元本:10,000ドル×100円=1,000,000円
為替差損益:1,000,000円-1,100,000円=-100,000円
受取利息:100ドル×100円=10,000円
源泉所得税等:10,000円×20.315%=2,031円(端数切捨て)

(仕訳・出金利息受取時)
借方 金額 貸方 金額
普通預金 1,007,969 外貨預金 1,100,000
租税公課 2,031 受取利息 10,000
為替差損益 100,000

個人事業主の源泉所得税の取り扱い場合は個人事業主の預金利息の仕訳(実務上の注意)も合わせてご参照ください。

(関連項目)
外国通貨(ドル・ユーロ・ポンドなど)の決算時の換算

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