外国通貨(ドル・ユーロ・ポンドなど)の決算時の換算

決算時において、米ドルや豪ドル、ユーロ・ポンド・ウォンなどの外国通貨を保有している場合はこれを決算時の為替レート(CRで換算し、換算差額については為替差損益(営業外収益または営業外費用)として処理します(外貨建取引等会計処理基準 第2項(1)(2)参照)。

(具体例-外国通貨の決算の換算)

1.取引発生時
アメリカの取引先へ商品50ドルを販売し、代金は外貨(米ドル)で受け取った。なお、取引発生時の為替レートは1ドル=100円であった。

(計算過程)
50ドル:50×100円=5,000円

(仕訳-取引発生時)
借方 金額 貸方 金額
現金 5,000 売上 5,000

外貨建取引の取引発生時においては、当該取引発生時の為替相場による円換算額により記帳します。商品販売時のレートは1ドル100円であるため、当該レートを使用して外貨による取引高を円換算し、記帳します。

2.決算時
決算を迎えた。なお、決算時のレートは1ドル=102円であった(決算日において保有する外国通貨は上記1の50ドルのみである)。

(計算過程)
50ドル×102円=5,100円
為替差損益:決算時5,100円-換算前5,000円=100円

(仕訳-決算時)
借方 金額 貸方 金額
現金 100 為替差損益 100

決算時に保有する外国通貨は決算時の為替レート(CR)で換算し、換算によって生じた貸借差額は『為替差損益』(営業外損益)として記帳します。
本設問においては決算時のレートによる換算額が換算前の帳簿価額より大きくなっているため為替差益が生じています(保有する通貨の価値が増えているため)。

(関連項目)
外貨建取引(決算時の売掛金・買掛金の換算)の仕訳
外貨預金の仕訳・会計処理
TTS・TTM・TTB(外貨建取引・資産・負債の換算レート)について

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