原付バイクを購入した時の仕訳・勘定科目

事業者が業務で使用する目的で原動機付自転車(バイク・原付バイク)を購入した時は購入金額によって会計処理の方法がことなります。

(バイク・原付バイクを購入した時の会計処理)
購入価格 処理方法
10万円未満のバイクを購入した場合 バイク・原付バイクの購入価額が10万円未満の場合には『消耗品費』勘定で処理し、全額を購入時などの費用として処理します。
10万円以上20万円未満バイクを購入した場合 バイクの購入価額が10万円以上となるような場合には原則として購入金額を『車両運搬具』勘定を使って固定資産として計上し、減価償却の手続きによって耐用年数にわたって費用化します。
ただし、一括償却資産として簡易処理を行うこともできます。
30万円未満の特例(中小企業者のみ) 上記の通り購入金額が10万円以上となる場合には原則としては『車両運搬具』などの固定資産を表す勘定科目を使って資産計上し、その耐用年数にわたって減価償却を行うのですが、資本金が1億円未満などの条件を満たす中小企業者等や個人事業主であり、かつ青色申告者については購入時(事業供用時)において『消耗品費』勘定などを使ってその全額を費用として計上することができます(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
なお、この特例が認められるのは、対象となる資産の取得価額の合計額が年間300万円までとなります(期中開業などの場合は月割計算となります))。

バイクや原付バイクの購入価額が10万円未満(あるいは20万円・30万円未満かどうか)などの判定について消費税の取り扱いは、消費税の経理方式によりことなります。すなわち、消費税の経理方式として税込経理方式を採用している場合は税込金額、税抜経理方式を採用している場合は税抜金額での判定となります(免税事業者は税込金額での判定です)。

原付バイクを固定資産として計上した場合の減価償却計算を行うにあたっての耐用年数は、購入したバイクが新品の場合には3年となります(別表第一「車両及び運搬具-前掲のもの以外のもの-二輪又は三輪自動車(3年)」参照)が、購入したバイクや原付バイクが中古資産に該当する場合には調整が必要となります(中古資産の耐用年数の算定については中古資産の減価償却費に関する仕訳・会計処理をご参照ください)。

なお、原付バイクの購入などに際し、自賠責保険などに加入した場合にはこれらの支出も支出時などの費用として処理することができます。詳細は自動車保険(自賠責保険・任意保険)の会計処理をご参照ください。

(具体例1-原付バイクの購入代金が10万円未満の場合)

飲食店を営む個人事業主が、お客様への配達用に中古の原付バイクを購入した。購入代金は中古であったため30,000円であり、代金は現金で支払った。

(仕訳-10万円未満の場合)
借方 金額 貸方 金額
消耗品費 30,000 現金 30,000

バイクや原付バイクなどであっても、購入金額が10万円に満たないような場合にはその全額を購入時(事業供用時)の費用として処理することができます。

(具体例2-原付バイクの購入代金が10万円以上20万円未満の場合)

飲食店を営む個人事業主が、お客様への配達用に新品の原付バイクを購入した。購入代金は120,000円であり、本体価格と一緒に自賠責保険10,000円、軽自動車税2,000円を合わせて現金で支払った。

(仕訳-10万円以上20万円未満の場合)
借方 金額 貸方 金額
一括償却資産 120,000 現金 132,000
支払保険料 10,000
租税公課 2,000

自賠責などの保険料は『保険料』または『支払保険料』勘定、購入時に支払った税金は『租税公課』などの勘定科目を使って経費として処理できます。
なお、車両本体について一括償却を行うかどうかは各資産ごとに選択できます(法人税法施行令133条の2第1項参照)。

(具体例3-原付バイクの購入代金が30万円未満の場合)

飲食店を営む個人事業主が、お客様への配達用に新品の原付バイクを購入した。購入代金は220,000円であり、本体価格と一緒に自賠責保険10,000円、軽自動車税2,000円を合わせて現金で支払った(当社は資本金が1億円未満の中小企業者(青色申告法人)に該当する。なおこれ以外に本年度は30万円未満の資産の購入はない)。

(仕訳-30万円未満の場合)
借方 金額 貸方 金額
消耗品費 220,000 現金 232,000
支払保険料 10,000
租税公課 2,000

この特例の対象は『青色申告』を行う法人や個人のみですのでご注意ください。

(具体例4-原付バイクの購入代金が30万円以上の場合)

飲食店を営む個人事業主が、お客様への配達用に新品の原付2種バイクを購入した。購入代金は330,000円であり、本体価格と一緒に自賠責保険10,000円、軽自動車税2,000円を合わせて現金で支払った。

(仕訳-30万円以上の場合)
借方 金額 貸方 金額
車両運搬具 330,000 現金 342,000
支払保険料 10,000
租税公課 2,000

30万円以上のバイク・原付バイクを購入した場合は『車両運搬具』勘定など(固定資産)を使って資産計上し、耐用年数にわたって減価償却を行います(新車の場合の耐用年数は3年となります)。

(関連項目)
自転車を購入した時の仕訳・勘定科目

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