時計を購入した時の仕訳・勘定科目
会社や事務所・事業所などで使用する時計(置時計・掛け時計ほか)を購入した時は、その購入した時計の価格によって以下のように仕訳します。
購入価格 | 処理方法 |
10万円未満の時計を購入した場合 | 購入した時計の購入金額が10万円に満たないの場合には、その購入金額を『消耗品費』勘定で処理し、購入時などの費用として処理します。 |
10万円以上20万円未満の時計を購入した場合 | 『備品』『工具器具備品』勘定などの固定資産の勘定科目を使って処理し、減価償却の手続きによって耐用年数にわたって費用化します。ただし、一括償却資産として簡易処理を行うこともできます。 |
30万円未満の特例(中小企業者のみ) | 資本金が1億円未満などの条件を満たす中小企業者等や個人事業主であり、かつ青色申告者については購入時(事業供用時)において『消耗品費』勘定などを使ってその全額を費用として計上することができます(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例。なお、この特例が認められるのは、対象となる資産の取得価額の合計額が年間300万円までとなります(期中開業などの場合は月割計算となります))。 |
上記以外の場合 | 『備品』『工具器具備品』などの固定資産勘定を使って処理し、減価償却の手続きによって耐用年数にわたって費用化します。 |
上記の時計の購入価格の判定について、購入時に発生した消費税をどう取り扱うかについては消費税の経理方式により異なることになります。すなわち、消費税の経理方式として税込経理方式を採用している場合は税込金額、税抜経理方式を採用している場合は税抜金額での上記の購入金額の判定を行うことになります(免税事業者は税込金額での判定です)。
(具体例1-時計の購入代金が10万円未満の場合)
オフィスで使用する掛け時計を近所のホームセンターで購入し、代金10,800円は現金で支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
消耗品費 | 10,800 | 現金 | 10,800 |
購入価額が10万円に満たない場合にはその購入金額の全額を購入時(事業供用時)の費用として処理することができます。
(具体例2-時計の購入代金が10万円以上20万円未満の場合)
事業所において使用する掛け時計を120,000円で購入し、代金は現金で支払った(当社では10万円以上20万円未満の資産を購入した時は一括償却を行うこととしている)。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
一括償却資産 | 120,000 | 現金 | 120,000 |
一括償却を行うかどうかは各資産ごとに選択できます(法人税法施行令133条の2第1項参照)。
(具体例3-時計の購入代金が30万円未満の場合)
事務所応接室で使用する置時計を250,000円で購入した。代金は全額現金で支払った(当社は資本金が1億円未満の中小企業者(青色申告法人)に該当する。なおこれ以外に本年度は30万円未満の資産の購入はない)。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
消耗品費 | 250,000 | 現金 | 250,000 |
この特例の対象は『青色申告』を行う法人や個人のみですのでご注意ください。
(具体例4-時計の購入代金が30万円以上の場合)
事務所応接室で使用する置時計を500,000円で購入した。代金500,000円は全額現金で支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
工具器具備品 | 500,000 | 現金 | 500,000 |
30万円以上の資産(ここでは置時計)を購入した場合は『工具器具備品』や『備品』勘定などの固定資産を表す勘定科目を使って処理し、その耐用年数にわたって減価償却計算を行って費用化します。
(関連項目)
テレビを購入した時の仕訳・勘定科目(購入価格別の仕訳例)
パソコン・PCを購入した時の勘定科目(購入価格別の仕訳例)
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