有価証券の取得・購入時の仕訳

有価証券を取得した時は、有価証券本体価格のほかに、証券会社に支払う手数料など取得のために支出した金額を含めた価格を取得価額として『有価証券』勘定や『投資有価証券』勘定などを使って記帳します。

有価証券の取得価額=購入代価(本体価格)+付随費用
(具体例-売買目的有価証券・取得時)

短期的な売買により売却益を得る目的でA社株式1,000株を1株当たり100円で現金で購入した。購入にあたって証券会社に売買手数料として500円を現金で支払った。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
有価証券 100,500 現金 100,500

売買目的有価証券に関しては『有価証券』勘定を使って記帳します(なお、使用する勘定科目に関しては有価証券の貸借対照表における表示もご参照ください)。

(具体例-満期保有目的の債券・取得時)

B社社債について額面価格10,000円分を額面100円当たり98円で現金で購入した。なお、B社債の満期日は当期決算日より1年以上先であり、当該社債は満期まで保有する予定である。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
投資有価証券 9,800 現金 9,800

満期保有目的の債券に関しては、1年内に満期の到来するものは『有価証券』勘定、それ以外は『投資有価証券勘定』を使って記帳します。

(具体例-関係会社株式・取得時)

C社株式の発行済み株式総数の80%にあたる800株を1株当たり1,000円で現金で購入した。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
関係会社株式 800,000 現金 800,000

子会社株式・関連会社株式について、上記仕訳の『関係会社株式』は『子会社株式』勘定を使用することもあります。また、関連会社に関しては『関係会社株式』勘定のほかに『関連会社株式』勘定を使用することもあります。

(具体例-その他有価証券・取得時)

業務上提携関係のあるD社株式100株を1株当たり1,000円で現金で購入した(当社のD社株式保有割合は20%以下であり、当該取得後もD社は関係会社とはならない)。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
投資有価証券 100,000 現金 100,000

その他有価証券に関しては、1年内に満期の到来する債券は『有価証券』勘定、それ以外は『投資有価証券勘定』を使って記帳します。

(関連項目)
有価証券の分類・評価
有価証券の貸借対照表における表示
有価証券を売却した時の仕訳
約定日基準(有価証券の売買契約の認識)についての会計処理
修正受渡日基準(有価証券の売買契約の認識)についての会計処理
端数利息(有価証券の売買)に関する計算と仕訳

スポンサードリンク