端数利息(有価証券の売買)に関する計算と仕訳

公社債を利払日以外の日に売買した時、前回の利払日の翌日から売買日までの期間に対応する利息を買主は売主に対して支払います。これを端数利息といいます。
これは、公社債の利息は、利払日の権利者に対し、前回の利払日の翌日から今回の利払日までの期間に対応する利息を一括して支払うため、前回の利払日の翌日から今回の利払日までの間に公社債の売買があった場合は、前回の利払日の翌日から売買日までの利息を買主が売主に立替払いする必要があるためです。
なお、端数利息の計算は以下の式によって算定します。

(端数利息)
額面金額×利子率×(前回の利払日の翌日から売買日までの日数)/365日

なお、裸相場や利付相場という用語を使用することがありますが、裸相場とは公社債の売買価格に端数利息を含まない価格をいい、利付相場とは公社債の売買価格に端数利息が既に含まれている場合の価格をいいます。
端数利息を支払った時は『有価証券利息』勘定の借方、受け取った時は『有価証券利息』勘定の貸方に記帳します。

(具体例-端数利息・裸相場)

当社は以下の条件の社債(売買目的有価証券)を4月30日に現金で購入し、10月31日に現金で売却した。購入日、利払日、売却日の仕訳を示しなさい。

(社債条件)
額面総額:1,000,000円(100円を10,000口)
利率:年7.3%(利払日は3月末と9月末。現金で受け取り)
4月30日購入価額:額面100円あたり96円(裸相場)
10月31日売却価額:額面100円あたり98円(裸相場)

(計算過程)
4月30日購入時端数利息:1,000,000円×7.3%×30日/365日=6,000円
9月30日利息受取額:1,000,000円×7.3%×6月/12月=36,500円
10月31日売却時端数利息:1,000,000円×7.3%×31日/365日=6,200円

(仕訳-4月30日購入時)
借方 金額 貸方 金額
有価証券 960,000 現金 966,000
有価証券利息 6,000
(仕訳-9月30日利払日)
借方 金額 貸方 金額
現金 36,500 有価証券利息 36,500
(仕訳-10月31日売却日)
借方 金額 貸方 金額
現金 986,200 有価証券 960,000
有価証券売却益 20,000
有価証券利息 6,200

端数利息を支払った時は『有価証券利息』勘定の借方、受け取ったときは貸方に記帳します。

(具体例-端数利息・利付相場)

当社は以下の条件の社債(売買目的有価証券)を4月30日に現金で購入し、10月31日に現金で売却した。購入日、利払日、売却日の仕訳を示しなさい。

(社債条件)
額面総額:1,000,000円(100円を10,000口)
利率:年7.3%(利払日は3月末と9月末。現金で受け取り)
4月30日購入価額:額面100円あたり96.6円(利付相場)
10月31日売却価額:額面100円あたり98.62円(利付相場)

(計算過程)
4月30日購入時端数利息:1,000,000円×7.3%×30日/365日=6,000円
9月30日利息受取額:1,000,000円×7.3%×6月/12月=36,500円
10月31日売却時端数利息:1,000,000円×7.3%×31日/365日=6,200円

(仕訳-4月30日購入時)
借方 金額 貸方 金額
有価証券 960,000 現金 966,000
有価証券利息 6,000
(仕訳-9月30日利払日)
借方 金額 貸方 金額
現金 36,500 有価証券利息 36,500
(仕訳-10月31日売却日)
借方 金額 貸方 金額
現金 986,200 有価証券 960,000
有価証券売却益 20,000
有価証券利息 6,200

利付相場での売買では、支払総額・受取総額から計算した端数利息を控除して公社債の売買価格を算定します。

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