長期貸付金の仕訳・会計処理

取引先や従業員などに対しお金を貸した時は『貸付金』勘定を使って記帳します。

なお、貸付金の貸借対照表における表示については1年基準が適用され、決算日の翌日から起算して1年以内に回収期限が到来する場合は『短期貸付金』(流動資産)、決算日の翌日から起算して1年を超えて回収期限が到来する場合は『長期貸付金』(固定資産-投資その他の資産)として表示します。

したがって、回収期限が決算日の翌日から1年を超えて到来する貸付金を『長期貸付金』勘定で記帳し、決算日において回収期限が1年以内となった長期の貸付金を『長期貸付金』勘定から『短期貸付金』勘定(流動)へ振り替えて記帳することもあります。

(長期から短期への振替仕訳)
借方 金額 貸方 金額
短期貸付金 長期貸付金

決算日において回収期限が1年以内となった長期貸付金は上記のような処理を行い、固定から流動への振替(組替)が必要となりますが、分割返済の定めのある長期の貸付金について、重要性の乏しいものについては固定資産のままで表示することができます(重要性の原則)。

(表示まとめ)
1年超で回収 1年以内に回収 重要性なし※
貸付金 固定資産 流動資産 固定資産
借入金 固定負債 流動負債 固定負債

※分割返済の定めのある長期の債権又は債務のうち、期限が一年以内に到来するもので重要性の乏しいもの。

(具体例-長期貸付金)

1.当社は取引先に対し、設備投資資金として3,000,000円の貸し付けを行い、貸付金は現金で支払った。なお当該貸付金は来期より10年間わたり毎年300,000円ずつ回収する約定である。

(仕訳-貸し付け時)
借方 金額 貸方 金額
長期貸付金 3,000,000 現金 3,000,000

2.本日決算を迎えた。上記1の貸付金のうち来期に回収期限の迎える300,000円を長期貸付金から短期貸付金に振り替える処理を行った(この設例では利息は考慮しないものとする)。

(仕訳-決算時)
借方 金額 貸方 金額
短期貸付金 300,000 長期貸付金 300,000

(関連項目)
長期借入金の仕訳・会計処理

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