新株予約権付社債(区分法・一括法)の適用について

新株予約権のついた社債を新株予約権付社債といいます。
新株予約権付社債には、転換社債型新株予約権付社債とその他の新株予約権付社債とがあり、それぞれ以下のように定義されています(払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理第3項参照) 。

転換社債型新株予約権付社債:募集事項において、社債と新株予約権がそれぞれ単独で存在し得ないこと及び新株予約権が付された社債を当該新株予約権行使時における出資の目的とすること(代用払込といいます)をあらかじめ明確にしている新株予約権付社債をいいます。

その他の新株予約権付社債:上記の転換社債型以外の新株予約権付社債をその他の新株予約権付社債といいます。

転換社債型新株予約権付社債とその他の新株予約権付社債については、基準上、適用できる会計処理は以下の通りとなっています(発行者側の会計処理。なお詳細な会計処理や仕訳例は下記リンク先の詳細ページをご参照ください)。

(転換社債型とその他の新株予約権付社債の発行者側の会計処理)
転換社債型新株予約権付社債 転換社債型新株予約権付社債の発行者側の会計処理は次のいずれかの方法により会計処理をおこないます。

1.転換社債型新株予約権付社債の発行に伴う払込金額を、社債の対価部分と新株予約権の対価部分に区分せず、普通社債の発行に準じて処理する方法(一括法)。
2.転換社債型新株予約権付社債の発行に伴う払込金額を、社債の対価部分と新株予約権の対価部分に区分した上で、社債の対価部分は普通社債の発行に準じて処理し、新株予約権の対価部分は新株予約権の発行者側の会計処理に準じて処理する方法(区分法)。

その他の新株予約権付社債 その他の新株予約権付社債の発行者側の会計処理は、新株予約権付社債の発行に伴う払込金額を、社債の対価部分と新株予約権の対価部分に区分した上で、社債の対価部分は普通社債の発行に準じて処理し、新株予約権の対価部分は新株予約権の発行者側の会計処理に準じて処理します(区分法)。

また新株予約権付社債の取得者側の会計処理については以下のようになります。

(転換社債型とその他の新株予約権付社債の取得者側の会計処理)
転換社債型新株予約権付社債 転換社債型新株予約権付社債の取得価額は、社債の対価部分と新株予約権の対価部分に区分せず、普通社債の取得に準じて処理し、権利を行使したときは株式に振り替えて処理します(一括法)※。
その他の新株予約権付社債 その他の新株予約権付社債の取得価額は、社債の対価部分と新株予約権の対価部分に区分した上で、社債の対価部分は普通社債の取得に準じて処理し、新株予約権の対価部分は新株予約権の取得者側の会計処理に準じて処理します(区分法)。

(※)転換社債型新株予約権付社債の会計処理は、発行者側は区分法・一括法の選択適用となりますが、取得者側の会計処理は一括法のみです。区分法は採用できませんのでご注意ください。

(金融商品に関する会計基準第35から39項、払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理第18・20・21・22項等参照)。

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