予定納税の仕訳・勘定科目(個人事業主)

一般に、前年度の所得に係る所得税(3月15日期限の確定申告で支払う所得税など)の金額が15万円を以上となる場合、その3分の1に相当する金額を、7月(第1期)と11月(第2期)にそれぞれ納税することが必要となります。これは、その年に支払う所得税の金額を基礎とし、翌年度に支払う所得税の一部を前払するものであり、予定納税といいます。

個人事業主が7月や11月に予定納税額支払った時は、『事業主貸』勘定を使って記帳します(所得税は事業上の必要経費とはなりませんので、その前払いである予定納税を支払っても経費処理はできません)。

支払った予定納税額は翌年度に支払う所得税の前払いを意味しますので、翌年3月15日期限の所得税の納税額は、予定納税で支払った金額を差し引き、残った金額を支払えばよいことになります(予定納税額が翌年の所得税の納税額を上回るときは還付となります)。

(具体例-予定納税額の支払)

1.個人事業主が、7月31日のおいて、税務署から届いた予定納税の納付書を利用し、第1期の予定納税額100,000円を事業用の普通預金口座から現金を引き出して支払った。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
事業主貸 100,000 普通預金 100,000

2.上記1と同様に、11月30日のおいて、第2期の予定納税額100,000円を事業用の普通預金口座から現金を引き出して支払った。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
事業主貸 100,000 普通預金 100,000

予定納税額を個人事業主のプライベートな預金口座や財布から支払った時は仕訳の必要はありません。上記の仕訳は、事業用の預金口座から支払うことにより事業用の預金口座の残高が減少したこと記録するために行っているものです。

なお、固定資産税や個人事業税などを支払った時は経費(損金)処理が可能ですので、『租税公課』勘定を使って経費処理することができます(詳細は租税公課の仕訳をご参照ください)。

(関連項目)
個人事業主が所得税や住民税を支払った時の仕訳・勘定科目
個人事業主が所得税の還付金を受け取った時の仕訳・勘定科目

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