事業主貸勘定の仕訳・会計処理

『事業主貸』勘定は、事業用の資金を個人のプライベートな出費や生活費などに支出した時に使用する借方の勘定科目をいいます。
たとえば、個人事業主が事業用の預金口座から生活費として10,000円を引き出した時は『事業主借』勘定を使用して以下のように仕訳することになります。

個人事業主は事業で使用するための資金とプライベートな資金とを明確に区分する必要があります。
したがって、事業用の資金を生活費とするために引き出した時やプライベートな出費に使用した時などは資金の移動を記帳することが必要となります。
このように、事業用から個人用への資金の移動は『事業主貸』勘定を使用して記帳することになります（事業の側から見た場合、資金を貸したことになりますので『事業主貸』勘定といいます）。

事業主貸勘定(事業主借勘定と合わせて事業主勘定といいます）は個人事業主に特有の借方勘定ですので、法人が社長や従業員などのプライベートな出費を会社の資金から支払っても『事業主貸』勘定を使用することはありません(このような場合は役員報酬や給与などとして処理することになります）。

（具体例－事業用の資金からプライベートな出費を支払った時）

個人事業主が、店舗の金庫に入金していた事業用の現金2,000円を使って個人の趣味である書籍を購入した。

（関連項目）
元入金勘定の仕訳と繰越処理