固定資産税の仕訳・会計処理

固定資産税は、毎年1月1日現在の土地、家屋及び償却資産の所有者に対し、その価額を基準として課せられる地方税(市町村民税)です。固定資産は賦課課税方式という課税方式がとられています。賦課課税方式とは課税庁が税額を計算し、納税者に税額を通知してくるものであり、納税者自らが税額を算出して納付する法人税や所得税とは納税方式が異なります。
固定資産税では、毎年5月頃に納税通知書が市町村より送付され、4回に分けて納付します。固定資産税は、原則として、納税通知書が届いた時点において『租税公課』勘定を使って記帳を行います。なお税金はまだ払っていないため、相手勘定は『未払税金』または『未払金』勘定を使って記帳します。

(具体例-固定資産税)

1.固定資産税に関し、10,000円の賦課決定があった。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
租税公課 10,000 未払税金 10,000

2.上記の固定資産税について、第1期分である2,500円を現金で支払った。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
未払税金 2,500 現金 2,500

なお市街化区域内に土地及び家屋の所有している場合、固定資産税と一緒に都市計画税をあわせて納付する必要があります。都市計画税の課税方式や会計処理は固定資産税と同様となります。

固定資産税の納付時に経費処理した場合の損金算入(実務上の注意)

固定資産税は納税通知書が到着した事業年度に経費処理し、税務上損金として処理することが原則ですが、実際に納付した事業年度において損金経理をした場合には、その納付した事業年度の損金として処理する事となります(法人税基本通達9-5-1、所得税基本通達37-6参照)。

(具体例-固定資産税・納付時損金経理)

1.固定資産税に関し、10,000円の賦課決定があった。なお当社は、固定資産税について納付時に租税公課として損金経理している(12月決算)。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
仕訳なし

2.上記の固定資産税について、第1期分である2,500円を現金で支払った。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
租税公課 2,500 現金 2,500

上記の処理のように納付時に費用処理している場合は、税務上の損金算入時期も納付した事業年度となります。12月決算法人や個人事業主の場合、4回目納付分を翌年度に納付すれば、翌年度の損金として処理することになります。

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