販売した商品の値引を行った時の仕訳・勘定科目(基礎)

一度お客様へ販売した商品について、販売後に価格の値引を行った時は、値引を行った金額について商品の販売時の仕訳と貸借(左右)が逆の仕訳を切り、値引金額分だけ商品販売時の仕訳を取り消します。

1.商品を販売した時の仕訳

例えば、100円の商品を販売し、代金を売掛金で受け取ることとした場合は商品の販売時において次のような仕訳を行っています。

(商品を100円で販売した時の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
売掛金 100 売上 100
2.商品の値引きを行った時の仕訳

仮に上記の商品について、販売後にお客様より商品に傷が見つかったとの連絡を受けたため、販売価格のうち20円の値引きを行った時は、値引額である20円分について、次のような商品販売時と貸借が逆の仕訳を切ります。

(100円で販売した商品について、20円の値引きを行った時の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
売上 20 売掛金 20

上記の商品販売時と値引時の仕訳を並べて示すと次のようになります。

(販売時と値引時の仕訳の合計)
借方 金額 貸方 金額
売掛金 100 売上 100
売上 20 売掛金 20

一度販売した商品について後から値引を行った時は、値引金額分だけ商品売上時と貸借(左右)が逆の仕訳を切ります。これにより売上時に貸方に記入された売上金額100円のうち、値引額20円が借方にも記帳され、借方と貸方の売上20円分が相殺により、結果として取り消されることになります。
また売掛金についても同様です。

なお簿記検定などで出題される「分記法」により商品売買を記帳している場合、売上値引の記帳は値引額の逆仕訳ではなく、商品販売益勘定を使って値引額の減額を行います(詳細は分記法における売上取引の仕訳(返品・値引・割戻)をご参照ください)。

(関連項目)
買った商品を値引いてもらった時の仕訳・勘定科目(基礎)
商品を返した時や返品した時の仕訳・勘定科目(基礎)

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