企業結合の種類(取得・共同支配企業の形成・共通支配下の取引)

2つ以上の企業が合併したり、あるいは株式交換・株式移転取引などにより、ある企業(または企業を構成する事業の一部)と他の企業(または他の企業を構成する事業の一部)とが1つの報告単位に統合されることを企業結合といいます(企業結合に関する会計基準 第5項参照)。

企業結合に関する会計基準においては、企業結合の形態を以下の3つに分類し、それぞれについて会計処理を規定しています(企業結合に関する会計基準 第4項から第17項等参照)。

(企業結合の分類)
分類 内容
取得 取得とは、ある企業が他の企業又は企業を構成する事業に対する支配を獲得することをいいます。

共同支配企業の形成及び共通支配下の取引以外の企業結合は取得と判定され、この場合における会計処理はパーチェス法によることになります。

共同支配企業の形成 共同支配企業とは、複数の独立した企業により共同で支配される企業をいい、共同支配企業の形成とは、複数の独立した企業が契約等に基づき、共同支配企業を形成する企業結合をいいます。
共通支配下の取引 共通支配下の取引とは、例えば親会社と子会社の合併または子会社同士の合併のように結合当事企業(又は事業)のすべてが、企業結合の前後で同一の株主により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的ではない場合の企業結合をいいます。

上記のとおり、共同支配企業の形成及び共通支配下の取引以外の企業結合は取得と判定され、この場合における会計処理はパーチェス法によることになります(企業結合に関する会計基準 第17項参照)。
取得とされた企業結合においては、結合当事企業のいすれが取得企業となるかを決定することになります。被取得企業の支配を獲得することとなる取得企業を決定するためには、まず「連結財務諸表に関する会計基準」におけるの考え方(支配力基準)を用いることになります。連結会計基準の考え方によってどの結合当事企業が取得企業となるかが明確ではない場合には、対価の受け渡しや議決権比率・企業の規模などをもとに取得企業を決定することになりますが、結合当事企業が3社以上である場合の取得企業の決定にあたっては、いずれの企業がその企業結合を最初に提案したかについても考慮する必要があります(企業結合に関する会計基準 第18項から第22項まで参照)。

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