有価証券運用損益勘定の仕訳・会計処理

売買目的有価証券に関する評価差額・売却損益について、決算時における評価差額は『有価証券評価損益』勘定、有価証券を売却した時の売却損益については『有価証券評価損益』勘定を使用しますが、売買目的有価証券の相場変動によって生じたこれらの損益については、まとめて『有価証券運用損益』勘定(営業外損益)を使って記帳することもあります。

(具体例-有価証券運用損益)

1.×1年3月31日決算日において、当期に取得したA株式(売買目的有価証券)の取得価額は10,000円、決算時における時価は10,800円であった。決算時において必要な仕訳を示しなさい。なお当社では有価証券の評価差額に関する翌期以降の取り扱いについては切放法を採用しており、また有価証券の評価・売買に関して生じる損益は一括して有価証券運用損益として処理しているものとする(以下同様)。

(計算過程)

評価損益:時価10,800円-簿価10,000円=800円

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
有価証券 800 有価証券運用損益 800

2.×2年4月5日において、前期に取得したA株式を11,000円で売却し、代金は現金で受け取った。売却時において必要な仕訳を示しなさい。

(計算過程)
売却損益:売却収入11,000円-帳簿価額10,800円=200円

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
現金 11,000 有価証券 10,800
有価証券運用損益 200

本設例では有価証券の評価差額の処理として切放し法を採用していますので、前期決算時における評価差額について、期首の振り戻しは行いません。したがって売却時における有価証券の帳簿価額は前期末の時価と一致します。

簿記検定などの試験問題では『有価証券運用損益』勘定を使用するのか『有価証券評価損益』勘定などを使用するのかは問題の指示に従ってください。

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