現金が足りない時(現金過不足)の仕訳・会計処理

会社や店舗では日々の取引を帳簿に記帳していくことになりますが、定期的に実際の現金を数え、帳簿上の現金残高と一致しているかどうかチェックすることが必要となります(現金実査)。その結果、実際の現金の残高が帳簿上の現金残高より少なかった場合で、なぜ少ないのかの原因がすぐにはわからない場合は、これを『現金過不足』勘定を使って帳簿残高を実際有高に修正することになります。

たとえば、帳簿上は現金残高1,000円となっていますが、実際に現金を数えた結果は940円しかなく(60円足りない場合)、なぜ少ないのかの原因がすぐにはわからない場合は『現金過不足』勘定を使って次のように記帳します。

(仕訳・現金実査時)
借方 金額 貸方 金額
現金過不足 60 現金 60

上記の仕訳により、帳簿上の現金残高を60円減額し、実際の現金残高940円へ修正します。
上記の不一致の原因は取引の記帳漏れや記入ミスなどによるものですが、不一致の原因が判明した時は『現金過不足』勘定を本来あるべき正しい勘定へ振り替えることになります。

たとえば、上記の60円の不足額のうち50円分が「50円切手を購入した」という取引の記帳が漏れていたことのよるものだと判明した時は、現金過不足を本来あるべき勘定(ここでは『通信費』)へ振り替えるため以下の仕訳を行います。

(仕訳・原因判明時)
借方 金額 貸方 金額
通信費 50 現金過不足 50

いっぽう、現金過不足の原因がわからないまま決算日を迎えた場合、現金過不足の残高を『雑収入』または『雑損失』勘定へと振替ます。

上記の60円の現金不足額のうち、50円分については切手の購入に関する記帳が漏れていたためであることが判明しましたが、残りの10円分については決算時までわからなかった場合、以下の仕訳により不明分を『現金過不足』勘定から『雑損失』勘定へ振り替えます。

(仕訳・原因不明時)
借方 金額 貸方 金額
雑損失 10 現金過不足 10

現金過不足が上記のように借方残高(現金が不足している原因が不明)の場合は『雑損失』、貸方残高(現金が多い原因が不明)の場合は『雑収入』として処理します。

(関連項目)
帳簿よりも実際の現金が多かったとき(現金過不足)の会計処理

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