帳簿よりも実際の現金が多かったとき(現金過不足)の会計処理

会社や店舗では日々の取引を帳簿に記帳していくことになりますが、定期的に実際の現金を数え、帳簿上の現金残高と一致しているかどうかチェックすることが必要となります(現金実査)。その結果、実際の現金の残高が帳簿上の現金残高よりも多く、なぜ現金が多かったのかすぐに原因がわからない場合は、いったん『現金過不足』勘定を使って帳簿残高を実際有高に修正することになります。

たとえば、帳簿上は現金残高1,000円となっていますが、実際に現金を数えた結果は1,200円もあり(200円多かった場合)なぜ多いのかすぐに原因がわからなかった時は、『現金過不足』勘定を使って次のように記帳します。

(仕訳・現金実査時)
借方 金額 貸方 金額
現金 200 現金過不足 200

上記の仕訳により、帳簿上の現金残高を200円増額し、実際の現金残高1,200円と同額となります。
上記の不一致の原因は取引の記帳漏れや記入ミスなどによるものですが、不一致の原因が判明した時は『現金過不足』勘定を本来あるべき正しい勘定へ振り替えることになります。

たとえば、上記の200円の余剰額のうち150円分が「取引先へ商品150円を販売し、代金を現金で受取った」という取引の記帳が漏れていたことのよるものだと判明した時は、現金過不足を本来あるべき勘定(ここでは『売上』)へ振り替えるため以下の仕訳を行います。

(仕訳・原因判明時)
借方 金額 貸方 金額
現金過不足 150 売上 150

いっぽう、現金過不足の原因がわからないまま決算日を迎えた場合、現金過不足の残高を『雑収入』または『雑損失』勘定へと振替ます。

上記の200円の現金不足額のうち、150円分について売上代金の回収に関する記帳が漏れていたためであることが判明しましたが、残りの50円分については決算時までわからなかった場合、以下の仕訳により不明分を『現金過不足』勘定から『雑収入』勘定へ振り替えます。

(仕訳・原因不明時)
借方 金額 貸方 金額
現金過不足 50 雑収入 50

決算時において、現金過不足が上記のように貸方残高(帳簿上の現金より実際の現金が多かった原因が不明)の場合は『雑収入』、借方残高(帳簿上の現金より実際の現金の方が少なかった原因が不明)の場合は『雑損失』として処理します。

(関連項目)
現金が足りない時(現金過不足)の仕訳・会計処理

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