雑損失(または雑損)の仕訳・会計処理
雑損失(または雑損)とは、金額が少ないなどの理由により、独立した科目として表示するほどの重要性がない費用のうち、営業活動に直接関連しないもの(営業外取引に該当するもの)に関して一括して処理するための勘定です。
具体的には、各種罰金や反則金、盗難被害、損害賠償金の支払や現金過不足などが該当しますが、特に決まった定義があるわけではなく、各社の状況に応じて雑損失として処理するものを判断します。
雑損失は損益計算書上は営業外費用として表示されます。
(具体例-雑損失または雑損)
1.社員の業務上の事故に関し、被害者に損害賠償金10,000円を現金で支払った。当該損害賠償金は雑損失として処理する。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
雑損失 | 10,000 | 現金 | 10,000 |
2.現金30,000円が盗難被害にあった。なお、当該損失については雑損失として処理する。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
雑損失 | 30,000 | 現金 | 30,000 |
なお、雑損失に類似する科目として雑費というものがありますが、雑費は営業活動に直接関連する取引(販売費及び一般管理費)のうち、金額的に僅少なものを一括して処理するためのものであり、営業外取引を対象とする雑損失とは区分する必要があります。
重要性の判断基準-財務諸表等規則の規定
重要性についての基準として、上場企業などを対象とする財務諸表等規則第93条では、
(前略)各費用のうちその金額が営業外費用の総額の百分の十以下のもので一括して表示することが適当であると認められるものについては、当該費用を一括して示す名称を付した科目をもつて掲記することができる。 |
とされており、この金額基準を超えるものについては独立区分表示が必要となるため、注意が必要となります(連結財務諸表等規則の重要性基準も同様)。
(関連項目)
現金過不足の仕訳・会計処理
雑収入(雑益)の仕訳・会計処理
スポンサードリンク