固定資産の買換時の仕訳

機械や車両など、会社で今まで使用していた固定資産を下取りに出し、新しい固定資産を購入することを固定資産の買換えといいます。
固定資産の買換えを行ったときの仕訳は、以下の仕訳を同時に行うことにより処理します。

1.今まで使用していた固定資産の売却仕訳
2.新規に購入した固定資産の取得仕訳

(具体例-固定資産の買換え)

×1年6月30日、当社でこれまで使用していた機械Aを下取りに出し、新しい機械Bを購入した。また、機械Aの下取り価格と新しい機械Bの購入価格との差額は翌月末に支払こととした。当該機械の買換えに関する仕訳を示しなさい(当社の決算日は毎年3月末であるものとする)。

(今まで使用していた機械A)
取得価額:1,000,000円
期首の減価償却累計額:500,000円(間接法
減価償却:定額法であり耐用年数4年(償却率0.250)
下取価格:300,000円

(新しく購入した機械B)
取得価額:1,200,000円

1.今まで使用していた固定資産の売却仕訳

固定資産の買換え仕訳は旧固定資産の売却仕訳と新固定資産の購入仕訳を同時に行うことによって作成します。機械A(旧固定資産)は期中に売却していますので、期首から売却時までの減価償却費を計上することが必要となります。

(計算過程)
減価償却費:取得原価1,000,000×償却率0.250×3月/12月=62,500円
売却損益:下取価格300,000円-(取得原価1,000,000円-期首累計額500,000円-当期償却額62,500円)=売却損137,500円

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
減価償却累計額 500,000 機械 1,000,000
減価償却費 62,500
未収金 300,000
機械売却損 137,500
2.新規に購入した固定資産の購入仕訳

次に機械Bの購入仕訳を考えます。機械Bの代金決済は翌月末のため、代金債務は未払金として処理します。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
機械 1,200,000 未払金 1,200,000
3.売却仕訳と購入仕訳の合算

最後に、上記1の機械Aの売却仕訳と上記2の機械Bの購入仕訳を合算します。なお、上記1の『未収金』と上記2の『未払金』はともに代金精算に関する債権債務なので両者を相殺し残額を未払金(下取価格が購入価格より大きいときは未収金)しますが、上記1の『機械』と上記2の『機械』は前者が売却した機械の取得原価を表し、後者が新規に購入する機械の取得原価を表しますので互いに異なる機械の原価を表すものであり、相殺しないように注意してください。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
機械 1,200,000 機械 1,000,000
減価償却累計額 500,000 未払金 900,000
減価償却費 62,500
機械売却損 137,500

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