純資産の仕訳(仕訳・勘定科目の基本ルール)

仕訳では、勘定科目(取引の内容を簡単に表す単語)を使用して取引を記帳します。
この勘定科目はその内容によって資産負債・純資産・収益費用の5つのグループに分類することができ、各グループごとに仕訳のルールが決まっています。
このページでは、純資産(資本)グループに属する勘定科目の仕訳の基本ルールについてご説明いたします。

純資産とはプラスの財産である資産から、マイナスの財産である負債を控除した財産の純残高をいい、株主からの出資を原資とする資本金や資本剰余金、事業活動の結果獲得された利益の残高(利益剰余金)などが含まれます。

純資産(資本)=資産の合計額-負債の合計額

この純資産グループに属する勘定科目の仕訳の基本ルールは、増加した時は貸方(向かって右側)、減少した時は借方(左側)に記帳することです。

(純資産の仕訳ルール)
借方 金額 貸方 金額
減少した純資産 増加した純資産

増減の仕訳ルールは負債グループと同じです。
なお、純資産を資本と呼ぶことがあります。これは貸借対照表の純資産の部が、以前は資本の部と呼ばれていたことなどによるものです。

(具体例1-純資産の増加取引)

例えば、投資家が会社に現金100,000円を出資し、株主となったときの仕訳は以下のようになります。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
現金 100,000 資本金 100,000

上記の取引例では現金という資産が100,000円増加し、同時に資本金という純資産も100,000円増加しています。
純資産グループに属する勘定科目の仕訳ルールは「増加は貸方・減少は借方」ですので、新たな資本金の増加額100,000円は貸方に記入します。いっぽう資産グループの仕訳ルールは純資産や負債グループとは逆で「増加は借方・減少は貸方」となりますので、現金の増加額100,000円は借方に記入することになります(資産グループの仕訳については、資産グループの仕訳の基本ルールをご参照ください)。

(具体例2-純資産の減少取引)

次に、出資者に資本金5,000円を現金で払い戻したときの仕訳は以下のようになります。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
資本金 5,000 現金 5,000

上記の取引例では現金という資産が5,000円減少し、同時に資本金という純資産も5,000円減少しています。
純資産グループに属する勘定科目の仕訳ルールは「増加は貸方・減少は借方」ですので、資本金の減少額5,000円は借方に記入します。いっぽう資産グループの仕訳ルールは純資産や負債とは逆で「増加は借方・減少は貸方」となりますので、現金の減少額5,000円は貸方に記入することになります。

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