委託販売の仕訳・会計処理(まとめ)

委託販売とは、自社の商品を他の者にお願いし、かわりに販売してもらうことをいいます。この時、商品の販売をお願いする方を委託者、委託者の商品を預かり、委託者のかわりに商品を販売する方を受託者といいます。受託者は委託者の商品を委託者の代わりに販売することによい手数料収入を得ることができます。

委託販売の会計処理のポイントは以下の通りです。委託販売のポイントは多岐にわたりますので、個別に抑えていき、簿記検定などの試験においては問題に指示に従って個別に抑えた論点を組み合わせて回答することになります。

(委託販売の会計処理のポイント)
ポイント 内容 参照ページ
発送時の処理 委託者が受託者に商品を発送した時は、発送した商品と手許の商品とを区分するために、発送した商品の原価を『仕入』勘定から『積送品』勘定に振り替えます。
この時、発送運賃など発送に掛かった経費などは『積送品』勘定に含めて処理する方法と『積送諸掛』勘定で処理する方法とがあります。
発送時の処理について
収益認識基準 委託販売については、受託者が委託品を販売した日をもって売上収益の実現の日とします。ただし、仕切精算書が販売のつど送付されている場合には、当該仕切精算書が到達した日をもって売上収益の実現の日とみなすことができます(企業会計原則 注解・注6参照)。
したがって受託者が販売した日、または仕切精算書(売上計算書ともいいます)が到着した日のいずれかにおいて売上収益計上の仕訳を行います。
収益認識基準について
収益測定 委託販売の売上計上額については、委託者の販売した金額をそのまま受託者側でも売上として計上する方法と、受託者が販売した金額から委託者の取り分である販売手数料や諸掛などを控除した委託者にとっての手取り金額を売上として計上する方法とがあります。 収益測定について
販売時の処理 受託者が商品を販売した時、販売した商品の原価を売上原価に計上するため、『積送品』勘定に計上されている販売した商品の原価を『積送品』勘定から『仕入』勘定へ振り替えます。
この時、『積送品』勘定から『仕入』勘定への振替は、商品販売の都度に振り替えるその都度法と期末に一括して振り替える期末一括法とがあります。
販売時の処理について
決算時の処理 決算時において、積送品の売上原価を『仕入』勘定に集計し、未だに販売されずに受託者のもとにある積送品を翌期に繰り越すため、積送品の期末残高を『積送品』勘定から『仕入』勘定へ振り替えるとともに未販売の積送品原価を『仕入』勘定から『積送品』勘定へ振り替え、未販売の積送品を資産として翌期に繰り越すための処理を行います。
また、委託時の運賃などの諸経費を『積送諸掛』勘定で記帳している場合は、期末に未販売の商品に対応する諸掛を、『積送諸掛』勘定から『繰延積送諸掛』勘定に振り替えて、これも資産として翌期に繰り越します。
決算時の処理について

上記の各ポイントにおける詳細な解説及び仕訳例は参照ページをご確認ください。

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