新株予約権を取得した側の仕訳・会計処理

新株予約権とは、株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいいます(会社法第2条第21号参照)。
企業が発行した新株予約権を取得したときは、有価証券の取得として処理します。したがって、当該有価証券の保有目的に応じて売買目的有価証券またはその他有価証券などとして処理します。新株予約権を取得した側の会計処理のポイントは以下の通りです(企業会計基準適用指針第17号 払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理第7項-第10項等参照)。

(取得者側の新株予約権の会計処理)
内容
取得時 有価証券としての保有目的に応じて売買目的有価証券またはその他有価証券などとして処理します。
権利行使時 新株予約権の権利を行使し、株式を取得したときは、当該新株予約権の保有目的区分に応じて、売買目的有価証券の場合には権利行使時の時価で、その他有価証券の場合には帳簿価額で株式に振り替えます。
譲渡時 新株予約権を譲渡した時は、譲渡した新株予約権の帳簿価額とその対価としての受取額との差額を当期の損益(有価証券売却損益など)として処理します。
失効時 新株予約権を行使せずに権利行使期間が満了し、当該新株予約権が失効したときは、当該新株予約権の帳簿価額を当期の損失(新株予約権失効損)として処理します。

なお、新株予約権を発行した側の会計処理は新株予約権を発行した時の会計処理をご参照ください。

(具体例1-新株予約権の取得者側の会計処理・取得時)

当社はA社が下記の条件で発行した新株予約権のうち、40%(4個)分について購入し、代金は当座預金で支払った。なお当社ではA社株式の保有目的に応じてこれをその他有価証券として区分する。

(発行条件)
1.新株予約権発行額総額100,000円(新株予約権10個)
2.新株予約権1個につき発行する株式は20株
3.権利行使期間はX1年4月からX1年9月まで
4.権利行使価額は1株当たり2,000円

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
投資有価証券 40,000 当座預金 40,000

取得した新株予約権はその保有目的に応じて売買目的有価証券またはその他有価証券として処理します。これらの新株予約権についてはその区分に応じ、決算時において評価替えが必要となります。

(具体例2-新株予約権の取得者側の会計処理・権利行使時)

上記1の新株予約権のうち2個分について権利行使を行い株式を受け取った。権利行使に伴い払い込む権利行使価額は当座預金で支払った。

(計算条件)

取得した新株予約権4個のうち、2個の権利を行使しているため減少する新株予約権は
40,000円×2個/4個=20,000円

権利行使価額は行使した新株予約権が2個(40株)分であるため
権利行使価額=40株×2,000円=80,000円

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
投資有価証券 100,000 投資有価証券 20,000
当座預金 80,000

なお、権利行使を行う新株予約権を売買目的有価証券として区分していた場合、権利行使に際し時価へ評価替えを行い、評価替え後の価額により株式に振り替えられますのでご注意ください(払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理第8項参照)。

(具体例3-新株予約権の取得者側の会計処理・譲渡時)

上記1の新株予約権のうち1個分について11,000円で譲渡した。譲渡に際し払い込まれた対価は直ちに当座預金に預け入れた。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
当座預金 12,000 投資有価証券 10,000
投資有価証券売却益 2,000

投資有価証券売却損益は営業外損益として処理します(有価証券売却時の処理は有価証券を売却した時の仕訳をご参照ください)。
なお、新株予約権をその発行会社に譲渡した場合も同様に処理します。

(具体例4-新株予約権の取得者側の会計処理・失効時)

上記1の新株予約権のうち1個分について権利行使しないまま権利行使期間が満了し、失効した。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
新株予約権失効損 10,000 投資有価証券 10,000

新株予約権失効損は新株予約権未行使損などの勘定を使用する場合もあります。新株予約権失効損は損益計算書上、特別損失の区分に表示します。

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