社債を満期償還した時の仕訳・会計処理

社債を満期日に額面金額で償還することを満期償還といいます。
社債を満期償還した時の会計処理は、以下の通りです。

(社債を満期償還した時の会計処理)
1.社債の簿価調整 社債の発行価額と額面金額とが異なる場合、償却原価法により社債の帳簿価額を調整することになりますが、満期償還に際し、最後の帳簿価額の調整を行います。この調整により社債の帳簿価額と額面金額とは一致します。社債の帳簿価額の調整は『社債利息』勘定を使って行います。
2.社債利息の支払 最後の社債利息(約定利息)を支払います。社債利息を支払った時は『社債利息』勘定を使って記帳します。
3.社債の消去 社債権者に社債の額面金額に相当する金銭を支払い、社債を消去します。この時の仕訳は、『社債』勘定を額面金額で借方に記帳し、負債である社債を消去します。

なお、買入償還抽選償還に関してはそれぞれリンク先のページでご参照ください。

(具体例-社債を満期償還した時の会計処理)

x1年4月1日に以下の条件で割引発行した社債をx6年3月31日満期にあたり償還した(当座預金で支払い)。なお発行価額と額面金額との差額は償却原価法(定額法)で処理していた。x6年3月31日の仕訳を行いなさい。

(社債発行条件)
発行日x1年4月1日、満期日x6年3月31日
額面価額100,000円、発行価格97,000円、約定利息(クーポン利息)0.5%(なお利払日は毎年3月31日であり、当座預金より支払う)。

(計算過程)
最終年の社債の帳簿価額の調整:(100,000-97,000)×12月/60月=600円(社債利息で処理)
最後の社債利息の計上:100,000×0.5%×12月/12月=500円

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
社債利息 600 社債 600
社債利息 500 当座預金 500
社債 100,000 当座預金 100,000

最後の社債の帳簿価額の調整を行うことにより、社債の額面金額と帳簿価額とが一致します。社債の額面金額相当額の金銭を支払い、社債を額面金額で消去します。

(関連項目)
社債発行時(割引発行)の仕訳・会計処理

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