破産更生債権等に対する貸倒引当金の算定(財務内容評価法)

売掛金や貸付金などの債権に対し貸倒引当金を設定する場合、債務者の財政状態及び経営成績などに応じて債権を、一般債権・貸倒懸念債権・破産更生債権等に区分し、それぞれの区分に応じた方法で貸倒引当金を算定することになります。
このうち破産更生債権等とは、経営破綻又は実質的に経営破綻に陥っている債務者に対する債権をいい、以下の財務内容評価法により貸倒引当金を算定することになります(金融商品に関する会計基準 第28項(3)参照)。

評価方法 内容
財務内容評価法 債権額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額を貸倒見積高とする方法

なお、破産更生債権等に対する財務内容評価法は、貸倒懸念債権に対する財務内容評価法とは異なり、債権額から担保の処分見込額などを減額し、残った残額すべてに対して貸倒引当金を設定することになります。

(具体例-破産更生債権等・財務内容評価法)

取引先A社に対する貸付金1,000,000円を貸し付けていたが、A社が破産法の適用を受けたため破産更生債権等として財務内容評価法で貸倒引当金を設定する。なお、A社の担保の処分見込額は200,000円である。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金繰入 800,000 貸倒引当金 800,000

(関連項目)
一般債権に対する貸倒引当金の算定(貸倒実績率法)

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