のれんの償却時の仕訳の基礎(連結会計)

支配獲得時において、親会社の子会社への投資額(親会社の保有する子会社株式)と子会社の純資産(子会社の資本金など)とを相殺した結果生じた投資消去差額のうち、借方に生じたもの(のれん)については、無形固定資産となり、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却することになります(企業結合に関する会計基準 第32項参照)。

(仕訳-投資と資本との相殺)
借方 金額 貸方 金額
資本金 100,000 子会社株式 120,000
のれん 20,000

連結上、上記ののれん20,000円を20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却していきます(償却期間や償却方法などについては簿記検定などでは問題文の指示に従ってください)。

のれんの償却額については『のれん償却』勘定を使って処理し、のれん勘定から償却額を直接控除します。たとえばのれん1,000円を償却する場合の仕訳は以下のようになります。

(仕訳-のれんの償却)
借方 金額 貸方 金額
のれん償却 1,000 のれん 1,000

直接法ですので、貸方には直接『のれん』勘定で記帳し、のれんの残高を減額します。

(具体例-のれん償却時の仕訳)

親会社が子会社の支配獲得時において計上したのれん(投資消去差額の借方残高)は50,000円である。連結決算においてのれん償却に関する必要な仕訳を示しなさい。なお、のれんの償却についてはのれんの発生年度の翌年から20年間で定額法により償却するものとする

(解答・解説)

のれんの償却額:のれんの当初計上額50,000円÷20年=2,500円

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
のれん償却 2,500 のれん 2,500

のれんの償却については、定額法により20年で均等に償却しますので、当初金額50,000円を20年で除した金額が毎年ののれんの償却額となります。のれんの償却額はのれん残高から直接控除(直接法)で行いますので、のれん償却時の仕訳の貸方は『のれん』(無形固定資産)の勘定を記帳し、残高から償却額を直接控除します。

(関連項目)
支配獲得日後の連結の流れ
子会社の当期純利益の振替の基礎(支配獲得日後の連結)

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