テーブルとイスのセット(応接セット)の仕訳・勘定科目
応接用のテーブルや椅子・ソファなどをセットで購入(いわゆる応接セット)した場合の経理処理は以下のようになります。
なお、テーブルとイスとがセットで取引されるような応接セットについては、テーブルとイスとを別々に判定するのではなく、セット価格で判定することになります(法人税法基本通達7-1-11参照)。
購入価格 | 処理方法 |
応接セット一式の購入金額の合計が10万円未満の場合 | テーブルや椅子などの応接セット一式の購入価額が10万円未満の場合には『消耗品費』勘定で処理し、全額を購入時などの費用として処理します。 |
応接セット一式の購入金額の合計が10万円以上20万円未満の場合 | 『工具器具備品』『器具備品』勘定などの資産勘定を使って資産計上し、減価償却の手続きによって耐用年数にわたって費用化します。ただし、一括償却資産として簡易処理を行うことが可能です。 |
30万円未満の特例(中小企業者のみ) | 資本金が1億円未満などの条件を満たす中小企業者等や個人事業主であり、かつ青色申告者については購入時(事業供用時)において『消耗品費』勘定などを使ってその全額を費用として計上することができます(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例。なお、この特例が認められるのは、対象となる資産の取得価額の合計額が年間300万円までとなります(期中開業などの場合は月割計算となります))。 |
上記以外の場合 | 『工具器具備品』勘定などの固定資産勘定を使って資産計上し、減価償却の手続きによって耐用年数にわたって費用化します。 |
上記の購入価額の判定について消費税の取り扱いは、消費税の経理方式によりことなります。すなわち、消費税の経理方式として税込経理方式を採用している場合は税込金額、税抜経理方式を採用している場合は税抜金額での判定となります(免税事業者は税込金額での判定です)。
(具体例1-応接セット一式の購入金額の合計が10万円未満の場合)
応接セット一式を80,000円(テーブル40,000円、イス40,000円)で購入した。購入代金は現金で支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
消耗品費 | 80,000 | 現金 | 80,000 |
応接セット一式の購入価額の合計金額が10万円未満の場合にはその全額を購入時(事業供用時)の費用として処理することができます。
(具体例2-応接セット一式の購入金額の合計が10万円以上20万円未満の場合)
応接セット一式を140,000円(テーブル60,000円、イス80,000円)で購入した。購入代金は現金で支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
工具器具備品 | 140,000 | 現金 | 140,000 |
応接セットを構成するテーブルやイスのそれぞれの価額は10万円未満ですが、これらを合計すると10万円以上となります。応接セットのようにテーブルとイスなどがセットで取引されるようなものについてはその合計金額で判定しますので、テーブルとイスとを個別に判定して10万円未満の消耗品費(経費)として処理するのではなく、応接セット一式で10万円以上の資産として処理することになります。
このケースでは応接セットの価格が10万円以上20万円未満の範囲内にありますので、税務上はこれを一括償却資産として処理することができます。
(具体例3-応接セット一式の購入金額の合計が30万円未満の場合)
応接セット一式を260,000円(テーブル120,000円、イス140,000円)で購入した。購入代金は現金で支払った。(当社は資本金が1億円未満の中小企業者(青色申告法人)に該当する。なおこれ以外に本年度は30万円未満の資産の購入はない)。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
消耗品費 | 260,000 | 現金 | 260,000 |
この場合も、テーブルとイスとを個別に判定するのではなく応接セット一式の価格として判定します。したがって、テーブルとイスの個別の価格がそれぞれ30万円未満であっても、応接セット一式の価格がこれを超えている場合にはこの特例の対象とはなりません。
なお、この特例の対象は『青色申告』を行う法人や個人のみですのでご注意ください。
(具体例4-応接セット一式の購入金額の合計が30万円以上の場合)
応接セット一式を330,000円(テーブル150,000円、イス180,000円)で購入した。購入代金は現金で支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
工具器具備品 | 330,000 | 現金 | 330,000 |
テーブルとイスのそれぞれの価格は30万円未満となっていますが、その合計の購入価格は30万円以上となっています。
30万円以上の固定資産を購入した場合は『工具器具備品』『器具備品』などの勘定科目を使って資産計上し、耐用年数にわたって減価償却を行います。
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