会社が損害賠償金を支払った時の損金算入時期と仕訳・勘定科目

1.法人が支払う損害賠償金の損金算入時期

法人が、その業務の遂行に関連して他の者に与えた損害について、これを賠償する場合の税務上の取り扱い(損金算入時期)は以下の通りです(法人税法基本通達2-2-13参照)。

(損害賠償金の損金算入時期)
原則 その賠償すべき額が確定した事業年度において損金(税務上の経費)に算入することになります。
容認規定 事業年度末において賠償すべき額が確定しない場合であっても、損害賠償の金額として相手方に申し出た金額に相当する金額(保険金等により補填されることが明らかな部分の金額を除く)を未払金に計上したときは、当該事業年度の損金として処理することができます。

損害賠償金を年金として支払う場合には、その年金の額は、これを支払うべき日の属する事業年度の損金の額に算入することになります(法人税法基本通達2-2-13(注)参照)。
また、自動車による人身事故に伴い、損害賠償金として支出した金額は、示談の成立等による確定前においても、その支出の日の属する事業年度の損金の額に算入することができます(法人税法基本通達9-7-18参照)。

なお、法人の役員又は使用人の行為によって他人に損害を与えた場合において、その賠償金を法人が支払った時の法人税法における取扱いは以下のとおりとなります(法人税法基本通達9-7-16参照)。

(法人の役員や使用人の行為による賠償金の扱い)
その損害賠償金の対象となった行為等が法人の業務の遂行に関連するものであり、かつ、故意又は重過失に基づかないものである場合には、その支出した損害賠償金の額は給与以外の損金の額に算入します。
その損害賠償金の対象となった行為等が、法人の業務の遂行に関連するものであるが故意又は重過失に基づくものである場合又は法人の業務の遂行に関連しないものである場合には、その支出した損害賠償金に相当する金額は当該役員又は使用人に対する債権とすることになります(損金に算入することはできません)。

役員や使用人に対する債権として処理した場合であっても、当該役員や使用人に支払い能力がなく、その全部又は一部に相当する金額を貸倒れとして損金経理をした場合には、当該貸倒額を損金の額に算入することができます(法人税法基本通達9-7-16参照)。

2.法人が支払う損害賠償金の仕訳・会計処理

法人がその業務の遂行に関連して他の者に与えた損害について、これを賠償する場合は『雑損失』勘定などを使って記帳します。

(具体例-損害賠償金の支払い)

会社の業務に関連し、お客様に与えた損害額1,000,000円を現金で支払い賠償した。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
雑損失 1,000,000 現金 1,000,000

(関連項目)
罰金や交通反則金などの仕訳・会計処理

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