期中に固定資産を売却した時の仕訳(月割計算)

建物や機械などの有形固定資産を売却した時は固定資産の帳簿価額を減額し、減少した固定資産の帳簿価額と売却価額との差額を『固定資産売却損益』として記帳します。

ただし、有形固定資産を期中に売却した時は、期首から売却時点まで固定資産を使用していることになりますので、売却する固定資産について期首から売却時までの減価償却費を月割計上することが必要となります(1か月未満の端数は切上)。

(具体例-固定資産を期中に売却したとき)

当社は毎年3月31日を決算日とする会社である。当社は9月15日に以下の機械を現金8,000円で売却した。機械を売却した時の仕訳を示しなさい。

(売却した機械)
取得原価:10,000円
当期首の減価償却累計額:1,000円
減価償却方法:定額法
耐用年数:10年
残存価額:0円

1.減価償却費の計上

売却した機械は期首から9月15日まで使用していますので、この期間に対応する減価償却費を計上する必要があります。なお期中に売却した場合、1か月未満の端数期間は切り上げて月割計算を行います。

(計算過程)
当期の機械の保有期間:4月1日から9月15日→6か月(端数期間は切り上げ)
当期の減価償却費:(10,000円/10年)×6月/12月=500円

(仕訳-減価償却費の計上)
借方 金額 貸方 金額
減価償却費 500 減価償却累計額 500
2.機械の売却

売却する機械の期首の帳簿価額は、取得原価10,000円から減価償却累計額1,000円を控除した9,000円です。
ただし上記1において当期の9月までの減価償却費500円を追加で計上していますので、この機械の売却時点の帳簿価額は
取得原価10,000円から減価償却累計額1,500円を控除した8,500円になります。

(計算過程)
機械の帳簿価額:取得原価10,000円-期首減価償却累計額1,000円-当期の減価償却計上額500円=8,500円
売却損益:売却額8,000円-帳簿価額8,500円=△500円(売却損)

(仕訳-売却時)
借方 金額 貸方 金額
減価償却累計額 1,500 機械 10,000
現金 8,000
機械売却損 500
3.まとめ

上記1、2のとおり、売却した機械の減価償却費を計上し、機械の帳簿価額を減額したうえで売却損益を算定します。
なお、一般的には上記1、2の仕訳をまとめて以下のように仕訳を行います(当期に計上した減価償却累計額500円が、上記1、2において借方・貸方の両方に計上されるためこれを相殺します)。

(仕訳-まとめ)
借方 金額 貸方 金額
減価償却累計額 1,000 機械 10,000
減価償却費 500
現金 8,000
機械売却損 500

(関連項目)
有形固定資産の売却時の仕訳
期中に固定資産を取得・購入した時の仕訳

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