収益・債権をかわりに受け取った時（本支店会計）の仕訳

本支店会計（支店独立会計制度）において、本店が支店の受け取るべき収益や債権の返済額を受け取った場合、あるいは支店が本店の受け取るべき収益や債権の返済額を受け取った場合は、受取った側は他店に対する債務の発生、本来受け取るべきであった側は他店に対する債権の発生ととらえてそれぞれ『本店』勘定・『支店』勘定を使って記帳します。

たとえば、本店が支店の管理するビルのテナントから家賃3,000円を、支店に代わって現金で受取った時の仕訳は以下のようになります。

いっぽう、本来ならば支店が受け取るべきテナントの家賃を本店がかわりに受け取ったときの支店側の仕訳は以下のようになります。

上記の2つの仕訳について、本店側の『支店』勘定、および支店側の『本店』勘定はそれぞれ支店や本店に対する債権債務が発生したことを意味します。本店は支店の受け取るべき収益を代わりに受け取ったことにより支店に対する債務が発生し、いっぽう支店は自らの収益を本店がかわりに受け取ったことにより、本店に対する債権が発生するため、これを『支店』勘定・『本店』勘定としてそれぞれ記帳します。
なお本店が支店のもつ債権の返済金額をかわりに受け取った場合、あるいは支店が本店の債権を代わりに受け取った時も同様に処理します。

（具体例－本支店会計・債権をかわりに回収した時）

本店は支店の売掛金30,000円の回収額を支店の取引先から現金で受取った。この時の本店と支店の仕訳を示しなさい。

本店の受取った売掛金は支店が外部の取引先に対しもっている売掛金です。したがって本店側においては売掛金の減少ではなく、支店の債権をかわりに受け取ったことにより、支店に対する債務が発生したととらえ『支店』勘定を使って記帳します。
いっぽう、支店は自己の持っている売掛金が減少しているので『売掛金』勘定を減少させる記帳を行います。相手勘定は本店に対する債権の発生として『本店』勘定を使って記帳します。

（関連項目）
経費・債務の立替払い（本支店会計）の仕訳