外貨建売買目的有価証券の換算について
外貨建て売買目的有価証券は外貨による時価を決算時の為替相場(CR)により円換算した額を貸借対照表価額とし、決算時の換算によって生じた差額は当期の評価損益として処理します(外貨建取引等会計処理基準一2(1)3ロ、外貨建取引等の会計処理に関する実務指針12等参照)。
期末評価額=決算時の外貨による時価×決算時の為替レート(CR) |
決算時の換算によって生じた評価損益は『有価証券評価損益』(営業外損益)として処理します。
(具体例-売買目的有価証券の換算)
1.×1年度において外貨建有価証券であるA社株式を30ドルで取得し、代金は現金で支払った。A社株式取得時の為替レート(HR)は1ドル100円であった。当社はA社株式を短期的な投機目的で取得しており売買目的有価証券として区分している。
(計算過程)
A社株式の取得価格:30ドル×100円=3,000円
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
有価証券 | 3,000 | 現金 | 3,000 |
2.×1年度決算期を迎えた。A社株式の期末時点における時価は33ドルであり、期末時の為替レート(CR)は1ドル120円であった。A社株式の期末評価に関する仕訳を示しなさい。
(計算過程)
A社株式の期末評価額(円貨):33ドル×120円=3,960円
評価差額:期末3,960円-取得時3,000円=960円
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
有価証券 | 960 | 有価証券評価損益 | 960 |
売買目的有価証券の評価差額には、外貨による時価変動額と為替差額とが含まれますが、あわせて当期の損益(有価証券評価損益)として処理します。評価差額の翌期以降の処理は洗替法又は切放法により処理することになります(売買目的有価証券の評価に関する詳細は売買目的有価証券の評価(切放法と洗替法)をご参照ください)。
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