差入有価証券・預り有価証券の仕訳

金銭貸借などの担保として、保有する有価証券を他の者に差し入れることがあります。この場合、担保として差し入れられた有価証券を譲渡したわけではありませんが、有価証券が手許からなくなるため、これを帳簿上管理するため、『有価証券』勘定から『差入有価証券』勘定への振替を帳簿価額行います(備忘記録)。

いっぽう、有価証券を担保として預かった側は有価証券の所有権を得たわけではありませんので有価証券勘定の増加認識は行いませんが、有価証券を預かっている状況を帳簿上管理するため、時価をもって、借方『保管有価証券』 貸方『預り有価証券』勘定を使って記帳します(備忘記録)。

差入れた側は帳簿価額、預かった側は時価で記帳します。なお、差入れた側は差入有価証券を貸借対照表において、手許にある有価証券と区分して表示する必要はありませんが、その場合は注記による情報開示が必要となります。また、預かった側は預かっている有価証券を貸借対照表において表示する必要はありませんが、注記による情報開示が必要となります。(財務諸表等規則ガイドライン15-12-4参照)。

(具体例1-差入有価証券)

A社(借主)はB社(貸主)から10,000円の現金を借入れ、その担保として有価証券(簿価5,000円、時価6,000円)を差し入れた。A社の仕訳を示しなさい。

(仕訳・差入側)
借方 金額 貸方 金額
現金 10,000 借入金 10,000
差入有価証券 5,000 有価証券 5,000

差入れた有価証券は帳簿価額で記帳します。

(具体例2-保管有価証券)

A社(借主)はB社(貸主)から10,000円の現金を借入れ、その担保として有価証券(簿価5,000円、時価6,000円)を差し入れた。B社の仕訳を示しなさい。

(仕訳・預かり側)
借方 金額 貸方 金額
貸付金 10,000 現金 10,000
保管有価証券 6,000 預り有価証券 6,000

預かった有価証券の記帳は時価で行います(なお備忘記録に関する仕訳については行わない場合もあります。試験問題などでは問題文の指示に従ってください)。

(関連項目)
有価証券の貸し借り(消費貸借の場合)の仕訳

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