内金（手付金）の仕訳・会計処理

商品売買において、商品代金やサービス代金の一部を内金または手付金として事前に支払う場合があります。
事前に内金・手付金をやり取りした場合の買主・売主の会計処理は以下のようになります。

売主の立場から見た場合、商品売買やサービス提供に伴う売上収益の計上は、実際に商品を引き渡したとき（またはサービス提供を行ったとき）に行います。したがって、内金・手付金を受け取った段階では売上計上は行わず、受取った内金・手付金は商品引渡しの日まで負債計上することになります。

（具体例１－買主の処理）

１．Ａ社（買主）はＢ社（売主）から10,000円の商品を購入するに先だち、Ｂ社の求めに応じ、購入代金の30％を手付金として現金で支払った。

２．後日、購入代金の残りの金額を現金で支払い商品を受け取った。

（具体例２－売主の処理）

１．Ｂ社（売主）はＡ社（買主）へ10,000円の商品を販売するに先だち、販売代金の30％を手付金として支払うことを求め、これを現金で受取った。

２．後日、販売代金の残りの金額を現金で受け取り商品を引き渡した。

手付金をやり取りした段階においては、未だに商品の受渡が行われていませんので売上計上（買主にとっては仕入計上）は行いません。
実際に商品の受け渡しが行われた段階で、売上計上または仕入計上を行い、手付債権（手付債務）を消去します。

なお、前払金・前受金は商品売買など、企業の主たる営業活動に伴い発生するものであるため、正常営業循環基準により流動資産・流動負債として表示されます。