委託買付の仕訳・会計処理

他者に依頼して商品を購入することを委託買付といいます。委託買付においては、商品の購入を依頼する側を委託者、商品の購入を依頼される側を受託者といいます。
委託買付において、委託者側の会計処理は、受託者との債権債務を処理するために『委託買付』勘定を使用する方法と、使用しない方法とがあります（なお、受託者側の会計処理は受託買付の仕訳・会計処理をご参照ください）。

なお、『委託買付』勘定を使用している場合であっても貸借対照表上は前払金・前渡金（委託買付勘定の借方残高）または買掛金（委託買付勘定の貸方残高）として記帳しますので上記のいずれの方法をとっても決算書の表示は変わりません。

（具体例１－委託買付・委託買付勘定を使用する場合）

１．Ａ社（委託者）はＢ社（受託者）に商品の購入を依頼し、前金として現金10,000円を支払った。委託者Ａ社の仕訳を示しなさい。なおＡ社では委託買付の債権債務の処理については委託買付勘定を使用し記帳している（以下同様）。

２．受託者であるＢ社から以下の買付計算書と商品が送付されてきた。

３．Ａ社（委託者）はＢ社（受託者）の請求代金24,000円を現金で支払った。

なお、買付計算書の到着日から遅れて商品が到着する時は『未着品』勘定を使用し、商品到着後『仕入』勘定に振り替えます。

（具体例２－委託買付・委託買付勘定を使用しない場合）

１．Ａ社（委託者）はＢ社（受託者）に商品の購入を依頼し、前金として現金10,000円を支払った。委託者Ａ社の仕訳を示しなさい。なおＡ社では委託買付勘定は使用していない（以下同様）。

２．受託者であるＢ社から以下の買付計算書と商品が送付されてきた。

３．Ａ社（委託者）はＢ社（受託者）の請求代金24,000円を現金で支払った。

受託者との間の債権債務の処理として委託買付勘定は使用していません。したがって代金の先払い分は『前払金（または前渡金）』勘定、未払い分は『買掛金』勘定を使って記帳します。