棚卸資産の取得原価の算定
棚卸資産とは、商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等の資産であり、企業がその営業目的を達成するために所有し、かつ、売却を予定する資産のほか、売却を予定しない資産であっても、販売活動及び一般管理活動において短期間に消費される事務用消耗品等も含ます(棚卸資産の評価に関する会計基準第3項参照)。
棚卸資産の取得原価は以下の算式によって求められます。
1.購入した棚卸資産の取得原価=購入代価+付随費用 |
2.製造した棚卸資産の取得原価=製造原価+付随費用 |
上記の購入代価・製造原価とは商品の本体価格や製品の製造に直接要した費用をいいます。また付随費用には引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税などが含まれます(なお法人税法上の規定は、法人税法施行令第32条にほぼ同様の規定が置かれています)。
(具体例1-購入した棚卸資産の取得原価)
仕入先より商品(棚卸資産)を仕入れた。なお商品の本体価格(購入代価)10,000円のほか、引取運賃1,000円が発生しており、すべて現金で支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 11,000 | 現金 | 11,000 |
(具体例2-製造した棚卸資産の取得原価)
製品が完成した。完成した製品の製造原価は、材料費1,000円、労務費2,000円、経費500円であった。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
製品 | 3,500 | 材料 | 1,000 |
- | - | 賃金 | 2,000 |
- | - | 経費 | 500 |
上記仕訳においては、『仕掛品』『製造間接費』勘定などは省略しています。
(関連項目)
棚卸資産の付随費用(3%基準・借入金の利子など扱い)
継続記録法と棚卸計算法について
棚卸資産の評価方法(払出単価の算定方法)について
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