継続記録法・棚卸計算法とは

商品や製品などの棚卸資産をいくつ払い出し、今いくつ残っているかの数量計算(数量管理)の方法には継続記録法と棚卸計算法とがあります。それぞれの内容は以下の通りです。

(継続記録法と棚卸計算法)
継続記録法
(恒久棚卸法)
商品有高帳などにおいて、棚卸資産を受け入れた時には受入数量、払い出した時には払出数量を継続的に記録しておき、棚卸資産の在庫数量を帳簿上において常に明らかにしておく方法です。
棚卸計算法
(定期棚卸法)
期中は棚卸資産の受入数量と繰越数量のみを記録しておき、これらの数量の合計から期末に実地棚卸により把握した期末在庫数量を控除することによって払出数量を間接的に算定する方法です。

継続記録法では、期中においても在庫数量や払出数量を管理できますが、盗難など正規の払出数量以外の損失分(棚卸減耗分)についても帳簿上は在庫数量としてカウントされるため、正確な損益計算に支障をきたします。
一方、棚卸計算法は期中は払出数量の管理は行いませんので事務的に簡便な方法ではありますが、差額によって算定された払出数量分に関し、販売など正規の払出分とそれ以外の減耗分の区分ができず、棚卸資産管理に支障をきたします。
実際には、継続記録法をベースに期中の在庫管理を行い、期末には実地棚卸を行うことにより棚卸減耗分を把握し、損益計算の正確性を確保することが求められます。

継続記録法と棚卸計算法のメリット・デメリット

継続記録法と棚卸計算法のメリットとデメリットをまとめると以下の通りです。会計学や財務諸表論の試験などではセットで出題されることが考えられます。これらの方法の理解を深めるためにもセットで押さえておいてください。

(継続記録法と棚卸計算法のメリット・デメリット)
継続記録法 棚卸計算法
メリット 棚卸資産の在庫数量や期中払出数量を常に把握することができる。 期中は受入数量のみを記録すればよいため、実務的に簡便である。
デメリット 期中は受入数量と払出数量の両方を記録するため、実務的に手間がかかる。 期中において在庫数量や払出数量が不明であり、在庫管理や損益管理ができない。

(関連項目)
棚卸資産の取得原価の算定
棚卸資産の評価方法(払出単価の算定方法)について
先入先出法(棚卸資産の評価方法)の仕訳・会計処理

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