振込手数料の仕訳・会計処理
売掛金や買掛金などの代金決済を銀行の口座振込で行う場合、振込手数料が発生します。この振込手数料は、自社が負担するのかそれとも取引先が負担するのか事前に取り決めておく必要がありますが、最終的にどちらが負担するかにより会計処理は以下のように異なってきます。
振込手数料を自社が負担する場合 | 振込手数料は『支払手数料』勘定を使って記帳し、自社の費用として処理します。 |
振込手数料を取引先が負担する場合 | 取引先負担の手数料は買掛金と相殺し、残額を取引先口座へ振り込みます(売掛金が振り込まれる場合は、入金処理以外に自社の手続は必要ありません)。 |
(具体例1-自社負担の振込手数料)
1.買掛金の支払期日となったため、買掛金100,000円を当社普通預金口座から仕入先の口座に振り込んだ。なお、振込手数料540円は当社が負担する取り決めである。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
買掛金 | 100,000 | 普通預金 | 100,540 |
支払手数料 | 540 | - | - |
2.本日、得意先に対する売掛金100,000円の回収期日となり、当社普通預金口座に代金の振込が行われた。なお、振込手数料540円は当社が負担する取り決めとなっており、売掛金残高100,000円から振込手数料540円を差し引いた残額が当社口座に振り込まれている。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
普通預金 | 99,460 | 売掛金 | 100,000 |
支払手数料 | 540 | - | - |
振込手数料を自社が負担する場合は、上記の通り『支払手数料』勘定を使って記帳します。売掛金の回収の場合は、通常は掛代金と相殺され、残額が振り込まれますので売掛金残高と実際の回収額との差額が『支払手数料』となります。
(具体例2-相手負担の振込手数料)
1.買掛金の支払期日となったため、買掛金100,000円を当社普通預金口座から仕入先の口座に振り込んだ。なお、振込手数料540円は相手が負担する取り決めのため、買掛金決済金額から振込手数料を差し引いた残額を振り込んだ。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
買掛金 | 100,000 | 普通預金 | 100,000 |
取引相手の預金口座への実際の振込額は買掛金残高100,000円から振込手数料540円を差し引いた99,460円です。取引相手は普通預金99,460円の入金と支払手数料540円の発生を認識していますが、当社は振込手数料を負担しない取り決めですので支払手数料を認識する必要はありません。
2.本日、得意先に対する売掛金100,000円の回収期日となり、当社普通預金口座に代金の振込が行われた。なお、振込手数料540円は相手が負担する取り決めとなっている。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
普通預金 | 100,000 | 売掛金 | 100,000 |
振込手数料は相手負担する取り決めになっていますので、相手先は当社への支払100,000円とは別に支払手数料540円を銀行に支払っています。
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