自社利用のソフトウェアに関する会計処理
1.自社利用のソフトウェアの制作費等に係る会計処理
自社利用のソフトウェアの制作費や購入費については、その利用により将来の収益獲得又は費用削減が確実であると認められる場合は無形固定資産(ソフトウェア・ソフトウェア仮勘定等)として計上することが必要となります(研究開発費等に係る会計基準 第四項3・4参照)。
収益獲得又は費用削減が確実と認められるケースは会社ごとに様々なケースが考えられますが、実務指針第11項では一般的な例示として以下のケースを挙げています。
1.通信ソフトウェア又は第三者への業務処理サービスの提供に用いるソフトウェア等を利用することにより、会社が、契約に基づいて情報等の提供を行い、受益者からその対価を得ることとなる場合 |
2.自社で利用するためにソフトウェアを制作し、当初意図した使途に継続して利用することにより、当該ソフトウェアを利用する前と比較して会社(ソフトウェアの利用者)の業務を効率的又は効果的に遂行することができると明確に認められる場合 |
3.市場で販売しているソフトウェアを購入し、かつ、予定した使途に継続して利用することによって、会社(ソフトウェアの利用者)の業務を効率的又は効果的に遂行することができると認められる場合 |
なお、機械又は器具備品等に組み込まれているソフトウェアは独立した科目として区分するのではなく、当該機械等の取得原価に算入し、「機械及び装置」等の科目を用いて処理することになります(研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針 第17項参照)。
2.自社利用のソフトウェアの減価償却
自社利用のソフトウェアについては、その利用可能期間(原則として5年以内)にわたり定額法によって償却します。
ソフトウェアの取得原価÷利用可能期間 |
なお、利用可能期間が5年を超えるときは合理的な根拠に基づくことが必要となります(研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針 第21項参照)。
(具体例-自社利用目的のソフトウェア償却)
当期期首において、購入した自社利用目的のソフトウェア50,000円について、当期の減価償却に関する仕訳を示しなさい。なお、当該ソフトウェアの利用可能期間は5年とする。
(計算過程)
50,000円÷5年=10,000円
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
ソフトウェア償却 | 10,000 | ソフトウェア | 10,000 |
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