裏書手形が不渡りになったときの仕訳・会計処理

裏書譲渡した手形が不渡りになったとき、手形裏書人は手形所持者から手形代金を代わりに支払うように請求されることになります（償還請求）。この時、手形裏書人が手形所持者に手形代金を代わりに支払った時は、支払った金額を『不渡手形』勘定を使って記帳します。なお、不渡手形は不渡となった相手に対する請求権を表しますので、貸借対照表上は資産（投資その他の資産）として表示されます。

（具体例－裏書譲渡/直接控除・不渡となったとき）

１．得意先A社より商品10,000円を仕入れ、仕入代金として、保有していた受取手形を得意先に裏書譲渡した。なお、保証債務の時価は1%と評価した。

２．上記の裏書譲渡した手形が不渡りとなり、得意先A社より償還請求を受け、諸経費を含めて10,500円を現金で支払った。当社は同額を手形発行者に償還請求を行った。

保証債務費用は損益計算書上、営業外費用となり、保証債務取崩益は損益計算書上、営業外収益となります。

対照勘定法で記帳していた裏書手形が不渡りとなったときの仕訳

手形を裏書譲渡した時の偶発債務に関して、対照勘定法を使って記帳していた時の手形が不渡りとなったときは、上記の不渡手形勘定の計上と一緒に対照勘定を打ち消すための仕訳が必要となります。

（具体例－裏書譲渡/対照勘定・不渡となったとき）

１．得意先A社より商品10,000円を仕入れ、仕入代金として、保有していた受取手形を得意先に裏書譲渡した。偶発債務に関しては対照勘定法で記帳する。なお、保証債務の時価は1%と評価した。

２．上記の裏書譲渡した手形が不渡りとなり、得意先A社より償還請求を受け、諸経費を含めて10,500円を現金で支払った。当社は同額を手形発行者に償還請求を行った。

評価勘定法で記帳していた裏書手形が不渡りとなったときの仕訳

手形を裏書譲渡した時の偶発債務に関して、評価勘定法を使って記帳していた時の手形が不渡りとなったときは、上記の不渡手形勘定の計上と一緒に評価勘定を打ち消すための仕訳が必要となります。

（具体例－裏書譲渡/評価勘定・不渡となったとき）

１．得意先A社より商品10,000円を仕入れ、仕入代金として、保有していた受取手形を得意先に裏書譲渡した。偶発債務に関しては評価勘定法で記帳する。なお、保証債務の時価は1%と評価した。

２．上記の裏書譲渡した手形が不渡りとなり、得意先A社より償還請求を受け、諸経費を含めて10,500円を現金で支払った。当社は同額を手形発行者に償還請求を行った。

（関連項目）
裏書手形の仕訳（対照勘定法・評価勘定法）
割引手形が不渡りになったときの仕訳・会計処理