内部統制とは(基本的な用語と定義)

1.内部統制の基本的な定義

内部統制とは、一般的な概念として言えば企業が日々の業務や活動を適正・健全に遂行するために企業内部に設けられた規則や社内ルールなどの制度全般を指していう言葉です。

身近な例で例えると、「金庫内の現金は不正な持ち出しがないようにするため、経理課の職員2人以上でダブルチェックして確認しましょう」というようなルールや決まり・制度などは内部統制における身近な適用例です。

内部統制についてより専門的な定義としては、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準 1-1.内部統制の定義」以下のように定義されています。

内部統制とは、基本的に、業務の有効性及び効率性財務報告の信頼性事業活動に関わる法令等の遵守並びに資産の保全の4つの目的が達成されているとの合理的な保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内の全ての者によって遂行されるプロセスをいい、統制環境リスクの評価と対応統制活動情報と伝達モニタリング(監視活動)及びIT(情報技術)への対応の6つの基本的要素から構成される。

2.内部統制の4つの目的と内部統制を構成する6つの基本的要素

内部統制について4つの目的が記されていますが、業務の有効性及び効率性とは「事業活動の目的の達成のため、業務の有効性及び効率性を高めること」をいい、財務報告の信頼性とは「財務諸表及び財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある情報の信頼性を確保すること」をいいます。
また事業活動に関わる法令等の遵守とは「事業活動に関わる法令その他の規範の遵守を促進すること」をいい、資産の保全とは「資産の取得、使用及び処分が正当な手続及び承認の下に行われるよう、資産の保全を図ること」をいいます。
これらの4つの目的はそれぞれに独立しているが、相互に関連しているものと位置づけられています。

上記の内部統制の目的を達成するため、経営者は内部統制の基本的要素(統制環境・リスクの評価と対応・統制活動・情報と伝達・モニタリング(監視活動)・ITへの対応)が組み込まれたプロセスを整備しそのプロセスを適切に運用していく必要があり、また社内規程等に具体化されることによって組織内の全ての者がそれぞれの立場で理解し遂行することになるものとされています。

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