簿記上の未払金とは(買掛金と未払金とのちがい)

代金を後払いする約束でモノを購入した場合、取引相手に将来お金を支払わなければならない義務(債務)を負うことになります。
この、将来にお金を支払わなければならない債務を簿記上は未払金(みはらいきん)といいます。

未払金は、将来に代金としてお金を支払わなければならない債務をあらわしますので、購入者にとっては負債(マイナスの財産)となります。負債グループに属する勘定科目の仕訳の基本ルールは、増加した時は貸方(向かって右側)、減少した時は借方(向かって左側)に記帳することですので、未払金が増加した時は貸方に『未払金』という勘定科目を使って仕訳することになります。

たとえば、会社が事務所で使用するえんぴつを100円で購入し、代金は月末に支払うこととした場合、会社にとっては月末に100円を支払わなければならない債務を負うこととなりますので、『未払金』勘定を使って次のように仕訳します。

(未払金が増加した時の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
消耗品
(えんぴつ)
100 未払金 100

その後、月末に実際にお金を支払えば(お金を支払わなければならないという義務を果たせば)未払金という債務は減少しますので、上記の仕訳とは逆に『未払金』を向かって左側(借方)にをもってきて仕訳し、未払金という負債を減少させます。

(未払金が減少した時の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
未払金 100 現金 100

なお、後日に代金を支払わなければならない債務として未払金のほかにも買掛金(かいかけきん)というものがあります。
これらの使い分けにはルールがあり、次のように使い分けを行う必要があります。

(買掛金と未払金の使い分け)
買掛金
(かいかけきん)
販売するための商品を仕入れた際、代金を後日決済する場合の代金債務を表す勘定科目です。

たとえば小売店がお店で販売する商品を卸売業者から仕入れ、代金を後日支払場合などで使用する勘定科目を言います。
一般に仕入勘定が出てくるような取引で、代金を後日支払う場合は相手勘定は買掛金となります。

未払金
(みはらいきん)
商品以外をモノを購入した際、代金を後日決済する場合の代金債務を表す勘定科目です。

たとえば小売店がお店で使用するレジを業者から購入した時で、代金を後日支払場合などで使用する勘定科目を言います。
売るためのものではなく自分で使うためのもの(消耗品や固定資産など)を購入した時で、代金を後日支払う場合は相手勘定は未払金となります。

たとえば、小売店がお店で販売するための商品を1,000円で問屋さんから仕入れて代金は月末に支払うこととした場合と、お店で使用するための鉛筆を1,000円で文具店から購入し代金を月末に支払うこととした場合の仕訳はそれぞれ次のようになります。

(お店で販売するための商品を購入した時の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
仕入 1,000 買掛金 1,000
(お店で使用するためのえんぴつを購入した時の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
消耗品 1,000 未払金 1,000

上記の未払金1,000円を現金で支払ったときは以下ように『未払金』を計上した時と反対側(借方)に記帳し、貸方の未払金残高1,000円を減額します。

(未払金を支払った時の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
未払金 1,000 現金 1,000

(関連項目)
簿記上の買掛金(かいかけきん)とは
未収金・未払金の仕訳

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