三伝票制の基礎（伝票式会計）

伝票式会計において、三伝票制とは、入金伝票・出金伝票・振替伝票という三種類の伝票を使用して取引を起票する方法をいいます。
三伝票制では、上記の三種類の伝票を取引の種類によって以下のように使い分けます。

三伝票制の特徴は、入金や出金など現金以外の取引はすべて振替伝票に起票する点にあります。
三伝票制では、売上伝票や仕入伝票は使用しませんので、掛売上や掛仕入についても振替伝票を使用して記帳します。

（具体例－三伝票制における起票）

1．取引先へ商品を販売し、代金10,000円は掛けとした。この取引について必要な伝票を起票しなさい（当社は三伝票制の伝票式会計を採用しているものとする）。

2．上記１の売掛金10,000円を現金で回収した。

上記1の掛売上取引については、現金の入金を伴いませんので、振替伝票を使用して取引を起票しているのに対し、上記2では売掛金を現金で回収（入金）しているので入金伝票を使用して起票します。

なお、売上の一部を現金で受け取り残額を売掛金とするような一部現金取引（たとえば上記1の売上10,000円について、すぐに現金で2,000円を受け取り、残額の8,000円を売掛金としたような場合）については、取引を現金取引（2,000円）と売掛金取引（8,000円）とに分解し起票を行う方法と、いったん全額（10,000円）を売掛金取引として振替伝票に起票し、そのうち2,000円をすぐに現金で回収したものとして入金伝票に起票する方法とがあります（起票の具体例は一部現金取引の起票をご参照ください）。

（関連項目）
一伝票制と仕訳伝票の基礎（伝票式会計）
五伝票制の基礎（伝票式会計）