土地の譲渡や仲介手数料と消費税(課税と非課税のまとめ)

消費税はモノやサービスの消費に負担を求める税金ですので、消費したとは言えないもの(課税の対象としてなじまないもの)については消費税が課税されないこととなっています(非課税取引といいます)。

一般的に土地の譲渡は、土地が消費の対象になるものとは考えられないことから、非課税取引として取り扱われることになりますが、以下のようなものについては消費税の課税対象として扱われることになりますので注意が必要となります(消費税法第6条、同別表第一、消費税法基本通達6-1-1以下参照)。

(土地の譲渡と消費税との関係)
土地の譲渡に関する仲介手数料 土地を譲渡する際に支払う仲介手数料については、土地の対価ではなく仲介役務(サービス)の対価であるため、課税取引となります。
土地付き建物の譲渡に係る建物部分の対価 土地の譲渡は上記の通り非課税となりますが、建物の譲渡は課税取引となります。仮に土地付き建物の譲渡につき「土地」の対価と「建物」の対価とが区分されていない場合、以下のような方法でその対価を区分する必要があります(国税庁HPタックスアンサー消費税No.6301 課税標準、消費税法基本通達10-1-5参照)。

1.土地と建物の譲渡代金を、譲渡時におけるそれぞれの時価の比率による按分する方法
2.土地と建物の譲渡代金を、相続税評価額や固定資産税評価額をもとにした金額で按分する方法
3.土地と建物の譲渡代金を、それぞれの原価(取得費、造成費、一般管理費・販売費、支払利子等)をもとにした金額で按分する方法

なお、それぞれの対価につき、所得税又は法人税の土地の譲渡等に係る課税の特例の計算における取扱いにより区分しているときはその区分した金額によることになります。

非課税となる土地の譲渡およびその他の事項

土地が宅地である場合には、庭木、石垣、庭園その他これらに類するもののうち宅地と一体として譲渡するもの(建物及びその附属施設を除く)も非課税となる土地の譲渡に含まれます(消費税法基本通達6-1-1参照)。

また、非課税となる「土地の譲渡および貸付」には「土地の上に存する権利の譲渡や貸付」も含まれることになりますが(消費税法第6条別表第一・一参照)、この「土地の上に存する権利」とは、地上権・賃借権・地役権・永小作権などの土地そのものの使用収益に関する権利をいい、これらの権利に関する譲渡も非課税となる土地の譲渡として取り扱われることになります(ただし鉱業権・土石採取権・温泉利用権及び土地の抵当権などはこれに含まれません。消費税法基本通達6-1-2参照)。

借地権に係る更新料や名義書換料は、非課税となる土地の上に存する権利の設定若しくは譲渡又は土地の貸付けの対価に該当し、その対価の支払いは非課税取引となります(消費税法基本通達6-1-3参照)。

(関連項目)
駐車場や土地の貸付と消費税(課税と非課税のまとめ)
株や債券など有価証券等の譲渡と消費税(課税と非課税のまとめ)
支払手段の譲渡と消費税(記念硬貨の譲渡と消費税との関係)

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