個人事業主や不動産オーナーが年金を受け取った時の仕訳・勘定科目

個人事業主や不動産オーナーなどが受け取った年金(厚生年金や国民年金など)を事業用の預金口座へ入金した時や事業用の資金としたときは『事業主借』勘定を使って記帳します。

所得税の確定申告書上、個人事業主が得た事業収入や不動産収入はそれぞれ経費などを差し引き、『事業所得』『不動産所得』の欄に記入しますが、国民年金や厚生年金などの年金収入をついては『雑所得(公的年年金等)』の欄に区分して記入します。
帳簿作成や仕訳処理は事業所得や不動産所得の金額を算定するためのものですので、厚生年金や国民年金などを受け取ってもこれは事業とは関係のない収入であり本来は仕訳の必要はありません。
しかし事業用の預金口座などへ入金している場合には、帳簿上の預金残高を実際の預金残高と合わせるため『事業主借』勘定を使って記帳することになります(年金収入を個人事業主のプライベートな口座へ入金した場合などは仕訳の必要はありませ)。

(具体例1-個人事業主がもらった年金の処理)

不動産賃貸業を営む個人が受け取った国民年金50,000円を事業用の普通預金口座へ入金した。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
普通預金 50,000 事業主借 50,000

個人事業主や不動産オーナーなどが得た年金収入は事業上の収益とはなりません。上記の仕訳は事業用の普通預金口座が増加したことを記帳するためのものであり、年金収入を収益計上するためのものではありません。

(具体例2-個人事業主がもらった年金の処理)

不動産賃貸業を営む個人が受け取った国民年金50,000円を個人のプライベートな普通預金口座へ入金した。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
仕訳なし

上記では受け取った年金収入を事業とは関係のないプライベートな口座へ入金しているため仕訳は必要ありません。
個人事業主や不動産オーナーなどが受けとった年金収入は、源泉徴収票などをもとに申告書上は雑所得(国民年金や厚生年金などの公的年金は「公的年金等に係る雑所得」、個人加入の年金保険などは「その他の雑所得」)として所得金額を算定し、事業所得などと一緒に申告することになります。

(関連項目)
個人事業主が勤務先から給与をもらった時の仕訳・勘定科目

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