外貨建社債(自社発行)の換算について
自社の発行した外貨建社債の決算時の貸借対照表価額は、外貨よる償却原価(発行価額+償却額)を決算時の為替レート(CR)により円換算した金額をもって評価します。また、外貨による当期償却額に期中平均レート(AR)を乗じた金額を利息調整額(『社債利息』勘定)として処理し、償却原価(決算時の為替レート)から帳簿価額と上記の利息調整額の合計額とを控除した額を当期の為替差損益として処理します(外貨建取引等会計処理基準一2(1)2・一2(2)、同注解・注9参照)。
1:期末評価額=外貨による償却原価×決算時の為替レート(CR)
2:当期償却額(社債利息)=外貨による当期償却額×期中平均レート(AR) 3:為替差損益=上記1-(上記2+決算整理前帳簿価額) |
(具体例-外貨建社債の換算)
1.×1年度期首において当社は外貨建て社債を80ドル発行し、払込額は当座預金口座に振り込まれた。社債発行時の為替レート(HR)は1ドル100円であった。なお、発行した社債の額面金額100ドルであり、額面金額と取得価額との差額は金利の調整差額のため償却原価法(定額法)により処理する。社債の満期は×4年度末(満期まで4年)である。
(計算過程)
社債の発行価額:80ドル×100円=8,000円
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
当座預金 | 8,000 | 社債 | 8,000 |
2.×1年度決算期を迎えた。期末時の為替レート(CR)は1ドル120円、期中平均レート(AR)は110円であった。当社発行の外貨建て社債の期末評価に関する仕訳を示しなさい。
(計算過程)
社債の償却原価法適用時の償却額(外貨額):(100ドル-80ドル)÷4年=5ドル
社債の償却原価法適用時の償却額(円貨額):5ドル×AR@110円=550円
社債評価額:(取得原価80ドル+償却原価5ドル)×CR@120円=10,200円
為替差損益:10,200円-(8,000円+550円)=1,650円
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
社債利息 | 550 | 社債 | 2,200 |
為替差損益 | 1,650 | - | - |
償却原価法適用時の償却額は外貨による償却額に期中平均レート(AR)を乗じて算定します。
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