貸倒引当金に対する税効果会計の適用時の仕訳

現行の法人税法上においては、貸倒引当金の計上は中小法人など一部の法人を除き、損金計上することはできません(法人税法第52条第1項・第2項参照)。
したがって中小法人以外の法人などが会計上において貸倒引当金を計上した場合であっても、計上年度の税務上の損金としては認められず、その後の事業年度において貸倒引当金を取り崩した年度まで会計上と税務上との差異が生じることから一時差異(将来減算一時差異)として税効果会計を適用することが必要となります。

貸倒引当金設定時における税効果会計の適用は、損金不算入額に法定実効税率を乗じた金額を、借方『繰延税金資産』・貸方『法人税等調整額』として処理し、貸倒引当金を取り崩すことにより差異が解消した年度においては設定時の逆仕訳を行うことになります。

(仕訳・税効果計上時)
貸倒引当金に関する繰延税金資産計上額=貸倒引当金設定額(損金不算入額)×法定実効税率

なお貸倒引当金設定時における損金不算入額は、設定時の課税所得が損金不算入によって増額しますが、その分差異解消時の課税所得が減額(将来減算一時差異)しますので法人税を前払していると考えて『繰延税金資産』を計上します。繰延税金資産と繰延税金負債の計上を誤らないようにご注意ください。

(具体例-貸倒引当金に対する税効果会計の適用)

1.×1年決算時において、貸倒引当金10,000円を計上したが法人税法上はその全額が損金不算入とされた。当該貸倒引当金に関する税効果会計適用時の仕訳を示しなさい。なお法定実効税率は40%として算定すること(以下同様)。

(計算過程)
繰延税金資産計上額:10,000円×40%=4,000円

(仕訳・税効果計上時)
借方 金額 貸方 金額
繰延税金資産 4,000 法人税等徴税額 4,000

2.×2年度において上記の貸倒引当金について、債権が貸倒となったため全額取り崩しを行った。当該取崩に関する税効果会計に関する仕訳を示しなさい。

(仕訳・税効果解消時)
借方 金額 貸方 金額
法人税等調整額 4,000 繰延税金資産 4,000

×1年度において計上された貸倒引当金は全額が損金不算入となっています。これは計上年度においては課税所得計算上加算されますが、その分が貸倒引当金を取り崩した年度において減算されますので将来減算一時差異となります。将来の課税所得(法人税額)を減額する効果を持つ将来減算一時差異については、法人税の前払と考えて繰延税金資産を計上することになります。

スポンサードリンク